2020 Fiscal Year Research-status Report
Casualties in UN Peace Operations: how they are generated and how they are reported
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20K01541
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| Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
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Principal Investigator |
久保田 徳仁 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 人文社会科学群, 准教授 (00545858)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 平和維持活動 / 犠牲者 / 計量分析 / 報道 / データセット / 部隊司令官 / リーダーシップ |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は①国連PKOにおいて犠牲者はどのように発生するか、②国連PKOにおける犠牲者が発生した際、国連および要員提供国はどのように報道するか（報道に犠牲の発生のしかたは影響するか）の2点を明らかにし、国際政治学及び比較政治学に寄与することである。
研究初年度の令和2年度は、PKO犠牲者データセットの整備及び犠牲者発生と「報道のもみ消し」に関連する自国出身の部隊司令官の任命についての計量分析を重点的に行った。
PKO犠牲者データセットは、地理データの入力、1990年代への遡及入力を主眼としていたが、データの分類を再検討し、既存のデータを洗いなおすことを優先した。390件余りのデータを精査し、これまで不明（unknown）としていた部分を、未報告・未報道（unreported）、死因の特定不可（unidentified）、報告はあるが詳細は不明（unknown）に再分類した。これらを用いて計量分析を行った。
司令官の任命とPKO犠牲者の分析としては、①母国出身の司令官任命に伴い、同一国出身の兵士が、車列攻撃で亡くなる割合が低下する、②母国出身の司令官任命に伴い、同一国出身の兵士について、死亡した（またはそういった資料が存在する）がその死亡について未報告・未報道という事例が多くなる、ということが確認された。
この司令官任命の効果については英語論文として取りまとめ、世界国際関係学会（International Studies Association）で発表を行うことになった（採択は本年度、発表は翌年度の2021年4月に実施済み）。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行で勤務校における教務の変動や、研究者の研究環境・体制に大きな変動があり、また、過去の研究費の執行ができなかったことから研究の後ろ倒しが行われ、本研究に対する十分な研究時間の確保ができなかった。こうした点で全体的にやや遅れがみられる。他方、研究環境の整備（コンピュータの購入と環境の構築）、研究に必要なプログラミング、ウェブスクレイピングの学習を予定以上に進められた。予算執行の面では、研究環境の整備と図書の購入にあたって感染症流行下で国際的に物流が滞り納入が遅れたうえ、コンピュータ納入後や書籍納入後学内で処理が遅滞し利用可能になったのが年度末に近い時期となった。年度としてはやや遅れてはいるものの必要な資材を適切なタイミングで購入できている。
今年度当初予定していた研究プロジェクトは（１）犠牲者データセットの整備、（２）報道に関するデータセットの整備、（３）ローカルな作戦の動向と犠牲者に関する計量分析、（４）犠牲が未報道となることの分析、の4点があった。このうち（１）はデータの洗い直しが終わり、（４）を進めることができた。ただし、（１）のうちの遡及入力が未完成で、今後も進める必要がある。（２）については、ウェブスクレイピングに必要なプログラミングをRおよびPythondで開始したばかりであり、本格的なデータ収集にまでは至っていない。（３）は未着手で、次年度に持ち越すことになった。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後の予定としては、令和2年度に未完成だった（１）犠牲者データの遡及入力、（３）犠牲者報道のデータセットの作成、（３）ローカルな作戦と犠牲者発生の分析、を早急に進める予定である。（１）の犠牲者データセットはこれまで350件余りをカバーしていたが、今後遡及入力と2018年以降のデータを追加することで合計750件余りのデータをカバーすることになる予定である。（２）では当初、計量テキスト分析の枠組みを用いた本格的な分析を念頭に置いたデータベース化を想定していたが、時間の制約上、簡便化を図る必要がある。国連のニュースをウェブスクレイピングで自動的に取得しテキスト文書化し、フレーミングを区分する簡単なデータセットの作成を目指す予定である。（３）は比較的詳細な地理データの入力が必要であり、時間がかかることが予想される。次年度への持越しも含めて長期的に研究を推進していきたい。
すでに論文の形にしている司令官任命の犠牲者発生に対する効果については早急に投稿できる形にリバイスを完了したい。
なお、司令官の効果に関する研究を世界国際関係学会（International Studies Association）の年次大会で発表したが、同じパネルでの発表者で、平和維持活動の要員による性的搾取の問題を取り上げた研究者がおり、司令官と報道の抑制に関する共同研究の可能性が浮かび上がっている。本研究プロジェクトの目的と密接な関係があることから、司令官の報道抑制（統制）能力についての研究を進めていくことを考えている。
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| Causes of Carryover |
参加を予定していた国際学会が感染症拡大によりオンライン化され、国際学会への参加費として計上していた予算に余剰が生じている。他方、移動を最小限にしたうえで研究できるよう研究環境整備のために予定以上に予算を使用していることもあり、差し引きで46000円余りの余剰となった。
引き続き本研究におけるデータセットの作成などで研究環境整備に予算が必要であり、かつ英文校正などのサービスにもより多くの予算が必要になると思われる。次年度（令和3年度）は書籍購入、テキスト分析用のコンピュータ環境の整備、英文校正、といった点に予算を使用する予定である。
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Research Products
(1 results)
