2020 Fiscal Year Research-status Report
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20K01550
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
水上 英貴 青山学院大学, 経済学部, 教授 (30377238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若山 琢磨 龍谷大学, 経済学部, 准教授 (80448654)
二本杉 剛 大阪経済大学, 経済学部, 准教授 (10616791)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 理論経済学 / ゲーム理論 / メカニズム・デザイン / 行動メカニズム・デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,完備情報環境に焦点を絞り,直接表明メカニズムによる正直ナッシュ遂行が,間接表明メカニズムによる (完全) ナッシュ遂行と比べてどの程度の性能を発揮するのかについて,遂行率に着目して経済実験によって検証する.そのために,(1) 同じ社会目標を (a) 正直ナッシュ遂行する直接表明メカニズムと (b) ナッシュ遂行するマスキン・メカニズム (間接表明メカニズム) を設計し,(2) これらのメカニズムの遂行率の差を検証するために,被験者を用いた経済実験を実施する.つまり,本研究では,遂行可能性の点で理論的に優れている直接表明メカニズムによる正直ナッシュ遂行の実践可能性を,経済実験によって明らかにしようと試みる.同時に,完備情報環境において,正直ナッシュ均衡がフォーカル・ポイントになりうるのかも,経済実験によって明らかにしようと試みる.
2020 年度は,まず,同じ社会目標を (a) 正直ナッシュ遂行する直接表明メカニズムと (b) ナッシュ遂行するマスキン・メカニズム (間接表明メカニズム) の性能を比較する経済実験のための理論モデルについて検討した.正直ナッシュ遂行のための直接表明メカニズムの代表例として,Mas-Colell et al. (1995) によるものが挙げられる.そこで,Mas-Colell et al. (1995) によるメカニズム以外に,どのようなメカニズムを独自に設計できるのかについても検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
経済実験のベースとなる理論モデルについて,おおむね構築できているため.
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 2020 年度に構築した理論モデルをベースに,2021 年度は経済実験のデザインを行う.そして,経済実験のデザインが順調にできれば,予備実験を実施する. (2) Mas-Colell et al. (1995) によるメカニズムと独自メカニズムとの比較について,経済実験だけではなく,理論モデル上でも比較するための方法を検討する.
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Causes of Carryover |
コロナ禍により,学会等への出張ができなかったため.
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