2021 Fiscal Year Research-status Report
A Study of the Total History of Ricardo Study in Japan in and after the Interwar Period
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20K01572
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
福田 進治 弘前大学, 人文社会科学部, 教授 (00322925)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 経済学史 / 古典派経済学 / リカード / 日本のリカード研究史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、スラッファ編『リカードウ全集』刊行(1951-73年)以前の日本のリカード研究について検討し、戦間期から今日に至る日本のリカード研究史の全体像を再構成することである。『リカードウ全集』刊行以来、日本のリカード研究者たちは欧米で支配的だったスラッファのリカード解釈を批判しながら、独自の研究成果を生み出してきた。そこで、本研究では、こうした日本のリカード研究が生まれた歴史的背景と具体的プロセスを戦間期に遡って調査し、日本のリカード研究史の全体像を構成することを目指す。これらのため、令和3年度は以下の作業を行った。 (a) 前年度に引き続き、戦間期を中心に活躍した福田徳三、河上肇、小泉信三、堀経夫・森耕二郎、舞出長五郎等のリカード研究に関わる文献を調査・収集し、彼等のリカード研究を検討し、その理論的特色、思想的含意、方法論的立場を明らかにする作業を進めた。 (b) 本年度はとくに初期の福田徳三のリカード研究に焦点を当て、福田が日本のリカード研究の先駆者として、文献的な制約のある中でリカード研究に取り組んだ経緯をたどりながら、福田のリカードの経済学に対する評価、福田のリカード研究の功罪、福田が後世の日本のリカード研究に与えた影響他について検討し、日本のリカード研究の出発点の状況を明らかにした。 (c) 以上の検討の結果をまとめて、第72回経済思想研究会(2021年12月26日、オンライン開催)において口頭発表を行うとともに、参加者と意見交換を行った。また、さらに検討を進め、その成果を論文にまとめ、本学の『人文社会科学論叢』(2022年2月28日刊行)において公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度に引き続き、国内外の移動に大きな制約があったため、当初予定していた国内外の文献調査・収集や、学会・研究会における研究成果の発表を十分に実施することができなかった。このため、研究計画全体についても前年度の遅れを取り戻すには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も国内外の移動に制約がある状況はしばらく続くと思われるが、状況は少しずつ改善していると思われ、また、オンラインの活用についても各方面で進展してるので、これらを活用しながら、文献調査・収集を継続し、日本のリカード研究の検討を推し進め、研究成果を発表し、研究計画の遅れを取り戻したい。
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Causes of Carryover |
前年度に引き続き、国内外の移動に大きな制約があったため、当初予定していた国内外の文献調査・収集や、学会・研究会における研究成果の発表を実施することができず、これらに伴い旅費及び人件費を執行することができなかった。今後とも状況を考慮しながら、適宜執行に努めていきたい。
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