2022 Fiscal Year Research-status Report
Social capital and the Commons: toward more Integrative Economic Thought
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20K01578
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
若森 みどり 大阪公立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (20347264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 尚 北海道大学, 経済学研究院, 准教授 (20612831)
橋本 努 北海道大学, 経済学研究院, 教授 (40281779)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | コモンズ |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度もコロナ禍のため対面での研究会や調査はかなわなかったが、オンラインで研究活動やミーティングを行った。 昨年度に引き続き、若手研究者に参加してもらい近年のコモンズ論に関する知見を収集・共有した。具体的には5月から6月にかけて、De Angelis, Massimo, 2017, Omnia Sunt Communia: On the Commons and the Transformation to Postcapitalism, London: Zed Booksという文献を輪読し、コモンズというテーマがポスト資本主義社会の構想にとってどのような意義をもっているかについてディスカッションと検討を重ね、具体的な実践例についても知見を深めた。 年度後半は、ここまでの活動をもとに研究成果をどのようなかたちでアウトプットするかについて議論を重ね、第一に日本のコモンズ経済思想家たちの思想を紹介することを目的とした英語での編著を作成すること、第二に、そのための準備作業として翌年度の国際学会で各々が研究発表を行うことを大まかに決定した。これを受け、研究分担者の斉藤尚(北海道大学准教授)は塩野谷祐一の経済思想に関する研究、同じく研究分担者の橋本努(北海道大学教授)は福岡正信の経済思想に関する研究をそれぞれ進めた。研究代表者の若森みどり(大阪公立大学教授)は論文「宇沢弘文の「社会的共通資本」の展開:思想史的アプローチ」を発表した。この論文は、宇沢の研究活動とその膨大な業績に時期区分を設定する試みであり、今後の宇沢研究の基盤となるものである。コモンズをめぐる英語圏の議論や知見を積極的に摂取しながら、それを踏まえて日本のコモンズ思想の特色をどのように整理していていくことができるか、議論や考察を深めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
The 2nd IVR Japan International Conference(法哲学・社会哲学国際学会連合Internationale Vereinigung fur Rechts- und Sozialphilosophie, 略称IVR 2023年9月)における「日本のコモンズをめぐる経済思想家たち」に関するセッション報告参加、および経済学史学会第87回大会(2023年5月)へのセッション報告「自由主義と経済哲学」などのエントリーが受理された。
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Strategy for Future Research Activity |
The 2nd IVR Japan International Conference(法哲学・社会哲学国際学会連合Internationale Vereinigung fur Rechts- und Sozialphilosophie, 略称IVR 2023年9月)における「日本のコモンズをめぐる経済思想家たち」に関するセッション報告参加、および経済学史学会第87回大会(2023年5月)へのセッション報告「自由主義と経済哲学」などのエントリーが受理されたことを受けて、報告準備を行っていく。なお、若手研究者や女性研究者を含めた研究会を実施し、日本のコモンズ研究の思想家を海外に発信する準備を共同でも行っていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で研究の遅れが生じたため、次年度使用額の変更が生じた。
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Remarks |
【対談】 橋本努×若森みどり 「自律を超える善き生(ウェルビイング)の理想を探る――橋本努『自由原理――来るべき福祉国家の理念』をめぐる対談」、シノドス(ウェブサイト) 2022年4月20日 【エッセイ】 橋本努「今月の一冊――『アセンブリ』(アントニオ・ネグリ=マイルル・ハート)」橋本努α-Synodos (299) 2022年5月15日
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Research Products
(4 results)