2023 Fiscal Year Annual Research Report
Identification and Estimation of Regression Models with a Misclassified and Endogenous Binary Regressor
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20K01586
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
下津 克己 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (50547510)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 識別 / 内生的二値説明変数 / 操作変数 / 共変量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、内生的な二値説明変数が誤分類されている計量経済モデルにおける識別問題と推定問題を研究する。既存研究は、内生的な二値説明変数が誤分類されているモデルを、二値説明変数の測定誤差から独立である操作変数を用いて識別している。これらの研究では、操作変数は外生性と二値説明変数の測定誤差から独立という二つの除外制約を満たす必要がある。しかしながら、実証研究においては、これらの除外制約を満たす操作変数を見つけることは容易ではない。 本研究は2021年度に、内生的二値説明変数が誤分類されている計量経済モデルを、一つの二値操作変数と一つの二値共変量を用いてノンパラメトリックに識別できることを証明し、証明された識別法を実際のモデルにおいてどのように適用するか、特にどのような操作変数と共変量を使うことが可能であるかを検討した。2022年度と2023年度は、ノンパラメトリックに識別可能であることが証明されたモデルをノンパラメトリックに推定するアルゴリズムを検討した。 2023年度は、関連する研究として、Weibull duration modelにおける観測されない異質性の検定方法を構築した。Weibull duration modelにおいて、観察されない異質性の検定は重要な問題である。しかしながら、観察されない異質性の検定問題は、その非正規性のために分析が困難であることが知られていた。本研究では、尤度に基づいた修正EM統計量を用いて、打ち切りを伴うWeibull duration modelにおける観察されない異質性を検定することを提案した。コンピューター・シミュレーションにより、本研究が提案する検定は、Cho and White (2010, Journal of Econometrics)が提案した尤度比検定などの既存の検定よりも優れた性能を持つことが確認された。
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