2021 Fiscal Year Research-status Report
一般寡占均衡下における貿易、環境及び雇用の政策分析
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20K01614
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Research Institution | Nara Prefectual University |
Principal Investigator |
斉藤 宗之 奈良県立大学, 地域創造学部, 准教授 (00547250)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | international trade / the environment / imperfect competition / pollution emission |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、福井県立大学の杉山泰之先生との共著で、"Non-traded Goods, Trade Liberalization and the Environment"を著し、排出税、貿易自由化(貿易コストの低下)の効果等を一般寡占均衡における国際貿易モデルを構築し、検討した。これは、以前より取り組んでいた論文、"North-South Trade and the Environment in General Oligopolistic Competition"の研究の延長に位置づけられる。 今年度の論文では、Dornbusch, Fischer and Samuelson(1977)型の連続財のモデルに各部門が寡占競争である状況をモデル化したNeary(2016)の一般寡占競争モデルをベースに、生産サイドから汚染排出なされている状況をモデル化した。そこでは、各部門の単位排出量を一定と仮定し、各国はその寡占競争産業が貿易財と非貿易財に分かれている状況を想定し、対称的な二国間での貿易モデルにおいて、排出税と貿易自由化の効果を検討した。現在のところ、得られた結果としては、貿易のコストの低下により労働者の賃金率は引きあがり、排出税を厳しくすると、労働者の賃金率は低下するとの結果を得ている。また、貿易のコストの低下は、貿易財産業の生産拡大をもたらす点で、内延的拡大をもたらすが、一方で産業全体における貿易財産業の比率の拡大、つまり、貿易の外延的拡大による賃金への効果は、不明瞭であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究では、貿易、環境に関する問題のうち、貿易自由化と環境政策、雇用の関係に注目し、寡占競争下における環境政策や貿易政策が雇用、特に労働者の賃金等にどのような影響を与えるのか、また、環境改善と雇用を維持するために、どのような政策介入が妥当なのかを明らかにすることが目的である。 今年度の当初予定では、今までの研究課題に関する論文2本の海外投稿を実施することを目指していたが、海外雑誌に投稿するに至っていない。コロナウイルスの感染状況や学務の状況から、思うように研究が進まず遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の前半中に、2本の論文の英文校閲、論文投稿を行い、杉山氏との共同論文を仕上げ、年度後半には、学会等の研究会で報告をする予定である。また、当初予定である、Copeland and Taylor(1995)の記念碑的論文をベースに、各部門が寡占競争市場であるモデルを構築し、人的資源ストックが似通った国同士での貿易取引が開始されると、各国での、あるいは世界全体での汚染排出量への影響等について分析し、Copeland and Taylor(1995)とどのような点で異なるのかを検討し、論文として発表したいと考えている。
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Causes of Carryover |
当該年度では、Covid-19の影響で旅費を使用することがなく、当初予定していた英文校正ができなかったため、その費用を利用できなかった。今年度は、2本の論文の英文校閲に25万ほどかかる予定である。また、どこまで人の移動ができるようになるかは不透明だが、学会及び研究会での研究報告をする予定である。さらに、論文執筆に関わる専門書籍の購入に約30万ほど使用する予定である。また、消耗品・ソフトの等に30万ほど使用する予定である。
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