2021 Fiscal Year Research-status Report
The use of GIS and tools of spatial statistics and spatial econometrics for urban and regional economic analysis
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20K01617
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
河端 瑞貴 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (60375425)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 地理情報システム(GIS) / 空間統計 / 空間計量経済学 / 都市・地域経済分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
最新のArcGIS Pro、GeoDa、QGIS、R言語のGISと空間統計・空間計量経済分析ツールを調査し、連携・活用法を開発した。 開発した連携・活用法および空間計量経済モデルを用いて、東京都を対象に地震リスクが住宅地地価に与える直接効果と間接(スピルオーバー)効果を推定した。地震リスクとしては、東京都の「地震に関する地域地域危険度測定調査」(2002、2008、2013、2018年)の建物倒壊危険度、火災危険度、総合危険度、および国土交通省の「地震時等に著しく危険な密集市街地」(2012、2015、2016、2017年)を用いた。空間固定効果モデルの推定結果から、地震リスクの軽減地区では地価が上昇すること、火災危険度の軽減および密集市街地の解消は、当該地区だけでなく周辺地区の地価を上昇させるスピルオーバー効果のあることが明らかになった。研究成果を日本経済学会2021年度春季大会、The XV World Conference of Spatial Econometrics Association、第30回地理情報システム学会研究発表大会にて報告した。研究成果の論文は、Spatial Econometrics Associationの学術誌として2020年に創刊されたJournal of Spatial Econometricsに掲載された。 路線価等の空間的に詳細なデータと空間回帰不連続デザインの手法を用いて、密集市街地を解消する都市防災整備が不動産価格に与える影響の初期分析を行った。 都市・地域経済分析に有用なGISの基本ツールと空間データを解説した教材(ArcGIS Pro対応)、および事例形式でGISの基礎と応用を学べる教材(QGIS、R言語対応)の作成を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では、(1)都市・地域経済分析に有用なGISと空間統計・空間計量経済分析ツールの連携・活用法の開発、(2)開発した活用法の都市・地域経済分析への応用、(3)GISと空間統計・空間計量経済分析ツールの活用法の教材の開発、の3点の達成に取り組む。(1)、(2)、(3)のいずれも概ね計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)引き続き、都市・地域経済分析に有用なGISと空間統計・空間計量経済分析ツールの連携・活用法の開発に取り組む。最新のGISと空間統計・空間計量経済分析ツールを調査し、効果的な連携・活用法を開発する。 (2)開発した活用法を、都市・地域経済分析に応用する。路線価等の空間的に詳細なデータと因果推論の手法を用いて、地震リスクを軽減する都市防災整備の効果を分析する。 (3) GISと空間統計・空間計量経済分析ツールの活用法の教材の開発を行う。開発した教材を書籍にまとめ、ウェブページで公開する。教材を大学学部・大学院の授業等で実践して効果を検証する。
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Causes of Carryover |
沖縄での開催が検討されていた第30回地理情報システム学会研究発表大会がオンラインで開催されたため、使用額が減額となった。次年度使用額は、研究遂行に必要な消耗品や研究成果発表等に使用する。
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