2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K01620
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
川瀬 晃弘 東洋大学, 経済学部, 教授 (10453854)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 環境政策 / 土壌汚染対策法 / 制度的管理 / 執行過程 / 外部性 |
Outline of Annual Research Achievements |
3年間の研究期間の2年目である2021年度は,土壌汚染対策の有効性と都市環境の保全に関する研究成果として,コロナ禍の影響によって進捗が思わしくなかったこともあり,現在進行中の研究はあるものの,残念ながら,学会報告を行ったり,学術論文を刊行したりすることはできなかった。 昨年度から引き続いて,現在進行している研究は,主に以下の2つである。 1つは,日本計画行政学会の査読付き学会誌『計画行政』第43巻第4号に掲載された論文をさらに拡張し,制度変更が土壌汚染の掘削除去を減少させることに寄与したといった因果関係を明らかにしようとする研究である。これまでの研究では,2010年の土壌汚染対策法の改正において,それまで単一の指定区域とされていたものが健康リスクに応じて要措置区域と形質変更時要届出区域の二つの区域によって管理されることになったが,本研究では,こうした制度変更によって土壌汚染の掘削除去を選択する割合が減少したことを明らかにした。しかしながら,掘削除去の減少が実際に制度変更によってもたらされたものなのかといった検証が不充分である。 もう1つは,土壌汚染対策法の執行過程において行政官の行動について分析した研究である。この研究は,公共選択学会の学会誌『公共選択』68号に掲載された論文をさらに拡張しようとするものであり,存在が不確実な土壌汚染に関する調査命令を発出する過程について分析し,命令発出に積極的な自治体と消極的な自治体が存在していることを明らかにしようとするものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究期間が開始する前の準備が比較的よくできていたこともあり,分析に使用するデータセットの構築にかける時間が少なくて済んだ。しかしながら,今年度は学会発表を行ったり学術論文を刊行したりすることはできなかったため,これまで研究はやや遅れていると思われる。今後は,さらに学会報告を行い完成度を高めて,学術論文を発表していく。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は,これまでの研究を発展させる形で,土壌汚染対策法による制度的管理の明確化が土壌汚染対策に与えた影響に関する研究を発展させるとともに,土壌汚染対策法の執行過程に関する研究を進めている。 データセットの構築に関しては,研究期間が始まってから土壌汚染対策法の指定区域に関するデータが追加されていることから,データセットの構築をさらに進めていく必要がある。 分析手法については,制度的管理の明確化がもたらした効果に関する分析を高めていくことと同時に,行政官の行動に関する研究を進めるためには,経済学のみならず政治学等の他分野の研究についても調査を行う必要性を感じている。
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Causes of Carryover |
当初の予定より使用額が大幅に少なかったのは旅費と謝金である。旅費については,当初は国内出張および海外出張を計画していたが,コロナ禍の影響によってすべての出張を取りやめた。また,謝金については,主に英文校正を中心とした謝金支払を予定していたが,研究がそこまで進まなかったために,支出することなく今年度を終えた。この分は次年度の研究において使用することを予定している。
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