2022 Fiscal Year Research-status Report
A Theoretical Approach on the Impact of the Spread of AI on International Trade
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20K01629
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
濱田 弘潤 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (70323954)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 人工知能(AI) / 国際貿易 / 世代重複モデル / 資本蓄積 / 熟練・非熟練労働者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,人工知能(AI)の普及が国際貿易に与える影響について,主に経済理論的観点から解明することを目的とする.2022年度は,熟練労働者と非熟練労働者の移民が,送出国と受入国の経済成長に与える動学的影響に関する理論研究を実施し,学術紀要雑誌に論文を掲載した.この論文では,これまで頭脳流出として熟練労働者の海外移民を考察してきた枠組みを,非熟練労働者の移民に適用し,非熟練労働者の移民が送出国と受入国に与える影響が,必ずしも熟練労働者の移民とは反対の影響とはならないことを,説明した.この論文は,AIの普及に伴うオートメーション化が,代替的な非熟練労働者の仕事を奪い,補完的な熟練労働者の価値を高めることと説明するための前段階として,分析を行ったものである. このほか,世代重複モデルを用いて異時点間の状況を考慮し,資本移動のある2国間の社会厚生や経済成長を分析する研究に取り組み,共同研究者と共著で書籍を出版することができた.動学マクロ経済学の観点から,人口減少が年金制度に与える影響について考慮した理論研究を書籍の形でまとめたものである.この本の中のいくつかの章では,異質な個人が存在する場合の利他性の問題を考察する研究に取り組んでいる.AI導入が異質な個人にどのような影響をもたらすかを考察するための前段階の分析として執筆した論文である.しかしながら,AI導入が熟練・非熟練労働者の技能形成に与える影響を分析するモデル作りは,現在進行途中であり,この点で,今年度残された大きな研究課題である. さらに,企業間で市場競争が行われる産業組織論的文脈で,AI導入が組織のマネジメントや市場競争,人的資本形成に与える影響についても研究を進め,いくつかの査読付き雑誌への掲載を含む研究成果を出すことができた.こうした研究実績を,本研究テーマに沿った形で,研究成果として結実させることが,今年度の研究の課題である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は,十分に満足できる研究実績を挙げることができたとは言い難い.新型コロナ禍も影響し,国内外での学会発表・参加や研究会参加・報告等は実現できなかった.しかしながら,査読付き論文雑誌3本の掲載,共同研究者との共著の書籍の出版,学術紀要への論文掲載と,最低限の研究成果を実現することができた.主要な研究成果を優れた論文に執筆することを,2023年度の課題としたい.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,新型コロナが収束している状況にあり,国内外での学会発表・参加や研究会参加・報告を積極的に行い,当該テーマについての最新の知見を吸収し,研究成果を論文にまとめる計画である.海外での研究成果報告も企図している.研究計画の最終年度でもあるため,研究交流を積極的に復活させ,学会・研究会での報告活動や論文完成・投稿に研究活動のプライオリティを置く予定である.一方で,コロナ後の新常態に対応し,オンライン研究打合せを積極活用し,学会・研究会参加の有無に左右されない研究推進体制を実践する予定である.
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Causes of Carryover |
新型コロナ禍により,2021年度に引き続き2022年度に予定していた,研究打合せや研究会への参加・報告,国内外の学会での参加・報告が全て,キャンセルもしくはオンラインの形式で行われたため,あらかじめ支出が必要と見込んでいた国内外の研究旅費にかなりの額の執行残が生じたのが主な理由である.2023年度も当初見込んでいた研究打合せや研究会への参加・報告,国内外の学会での参加・報告が予定通りに実施できるかは分からないが,現時点ではアフターコロナに移行しており,当初予定していた計画通りに研究出張旅費に使用することを予定している.
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Research Products
(6 results)