2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K01638
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
郡司 大志 大東文化大学, 経済学部, 教授 (50438785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 憲治 法政大学, 経済学部, 教授 (10308009)
三浦 一輝 愛知学院大学, 総合政策学部, 准教授 (70711159)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 金融政策 / Bartik regressor / 操作変数 / バンチング推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は2つの研究を中心に行った。1つ目は、伝統的金融政策の効果を2種類の変数によって検証する研究である。1つはBartik regressorと呼ばれる変数であり、個別企業のデータを産業ごとに分類して作成した。もう1つは地域ダミー変数と政策金利をかけ合わせた操作変数である。これらの変数を用いて伝統的金融政策の諸変数への効果を推定したところ、消費支出や投資支出への影響は見られたものの、雇用やインフレ率には影響が見られなかった。このことから、伝統的金融政策は効果が曖昧であり、マクロ経済変数に強い影響力を持つとは考えにくいことが明らかとなった。 2つ目の研究は、準備預金制度が預金量に影響を与えているかどうかを検証するものである。準備預金制度は預金量が1,600億円未満の信用金庫には適用されないため、その値を臨界値として預金量が変化するかどうかを見ることができる。預金量は銀行がある程度操作できる変数であるため、バンチング推定を用いた。バンチング推定は、経済主体がある臨界値を超えるのを避けるために臨界値の直前で行動をすること(バンチング)から、臨界値がない場合に理論的に考えられる量を版チングがどれだけ超えるかを推定するものである。推定の結果、準備預金制度によってバンチングが生じており、預金量が理論的に考えられる量よりも少なくなっていることが明らかとなった。 これら2つの研究は、いずれもワーキングペーパーとして公表し、査読付きジャーナルに投稿中である。また、査読の結果に応じて順次改訂を行っている。
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