2021 Fiscal Year Research-status Report
An Economic Analysis of Public Long-Term Care System in Thailand
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20K01657
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
金子 勝規 大阪市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (10708085)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高齢者 / 格差 / 公的介護制度 / ボランティア / タイ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、タイの高齢者の所得格差、健康格差、介護格差の決定要因の統計分析を行った上で、タイの公的介護制度を検討することである。 2021年度は、前年度に引き続き所属機関に設置されている学術情報センターなどにおけるデータベースを通じて研究資料の収集および医療・介護分野の統計分析に関する文献研究を行った。また、インターネットで閲覧できるタイの研究機関および医療・介護施設のウェブサイト等からタイの公的介護制度および民間の高齢者施設および高齢者の健康に関連する情報収集を行った。 当初計画していた現地を訪問してのインタビュー調査は、新型コロナウイルス感染症の流行により現地訪問が実質的に不可能となったため、アンケート調査の準備および基礎的データの収集はできなかった。そこで、上記文献調査を基にタイを含む東南アジア各国の高齢者ケア政策のレビュー論文を執筆して、学内紀要に投稿した。 また、タイの現地の調査協力者の協力を得て、高齢者に関する全国調査のミクロデータを入手した。入手したデータをもとに、高齢者の生活状況、経済状況、労働状況、ADLといった基本的な分析を行った。 さらに、前年度から引き続き、現地の医療関係者に対するインタビュー調査をweb会議システムを用いて実施した。インタビュー調査を通じて、タイのコロナウイルス感染症の流行状況とそれに対する医療・介護施設の対応、高齢者の健康状態の変化についての情報を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行により現地訪問が前年度に引き続き不可能であったため、文献調査を中心とする高齢者ケア政策のレビュー論文を作成した。しかし、最新の統計データの収集と次年度に実施予定のアンケート調査の準備ができなかったため、全体としては遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は新型コロナウイルス感染症の動向を見ながら、タイ現地調査を実施をする予定である。事前準備として、web会議システムを利用して現地の調査協力者と綿密にコミュニケーションを取ることで効率的な現地調査の実施が可能になると考えている。現地ではアンケート調査を行う予定である。また、2021年度に入したデータ分析を進めて、論文の執筆を行う。
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Causes of Carryover |
計画していた現地渡航による調査とアンケート調査を実施することができなかったため、旅費ならびに人件費・謝金として助成金を使用することができなかった。日本及びタイにおいて、コロナウイルス感染症の影響で自宅隔離機関などが短縮・廃止される方向にあることから、次年度複数回の海外渡航を計画している。
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