2023 Fiscal Year Annual Research Report
An Economic Analysis of Public Long-Term Care System in Thailand
Project/Area Number |
20K01657
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
金子 勝規 大阪公立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (10708085)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高齢者 / 格差 / 公的介護制度 / ボランティア / タイ / 介護保障 / 介護ボランティア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,タイの高齢者の所得格差,健康格差,介護格差の決定要因の統計分析を行った上で、タイの公的介護制度を検討することである.研究期間全体を通じて実施した研究の成果は以下の通りである. 文献調査を基にタイを含む東南アジア各国の高齢者ケア政策のレビュー論文を執筆して、タイとそれ以外の東南アジア各国との差異を明らかにした.次にタイの高齢者を含む 高血圧患者における炎症と黄斑色素光学密度(MPOD)の関係を、hsCRP、脂質値・比、ウエスト周囲径、BMIなどのバイオマーカーを用いて評価する国際共同研究を進めた. 現地調査などを通して収集した情報をもとにして,高齢社会における保健医療制度のあり方を検討した論文として,出版予定の本の1章として掲載予定である.そこでは,保健医療分野の人的資源が不足しているタイにおいて,保健ボランティアをはじめとするボランティアが果たしている役割を評価した.タイの高齢者に関する集計データを時系列に整理し直したうえで,タイ人高齢者を取り巻く環境とその現状を考察することで,タイの高齢者の介護需要と介護供給者の基礎的分析を行った.このほか,タイの現地の調査協力者の協力を得て入手した高齢者に関する全国調査のミクロデータを用いて,高齢者の生活状況,経済状況,労働状況,ADLと介護需要に関する分析を行った. 最終年度には,現地での高齢者世帯を訪問してのアンケート調査を北部および中部,東部で実施した.高齢者の生活の質と世帯の状況などの個人属性や食事,飲酒・喫煙習慣,運動習慣,その他文化的な習慣,ケア・介助者との関係,歯科衛生,医療受診行動などとの関係についてのデータ分析行い,そのデータ分析をまとめた論文の学会報告を予定している.
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