2023 Fiscal Year Annual Research Report
Study on environmental-economic policy and flood risk assessment based on watershed material flow model
Project/Area Number |
20K01664
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
櫻井 一宏 立正大学, 経済学部, 准教授 (20581383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋澤 博幸 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70291416)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 流域圏 / 環境・経済政策 / マテリアルフロー / リスク評価 / モデル分析 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度となった今年度は,前年度までに検討してきたプロトタイプモデルについて,対象地域をフィンランドに設定して構築した上でのシミュレーションを試み,複数の水質改善目標に応じた国内総生産の実現の推計を実施した.当初目的のひとつとして検討してきた災害の発生によるリスクの組み込みなどは,天災に限らず何らかの都市部のリスクとして考えて設定を行い,確率モデルを最適化モデルに組み込むことでシミュレーションを試みたが,結果として実証的に最適解を得ることができなかった.しかしながら,本研究の新しい試みであったリスクの組み込みを伴う環境経済モデルの構築とシミュレーションに至るまでの試みを実施することができ,今後に展開できる収穫となった.さらに,今年度の内容に至る前年度までに実施したことをまとめると以下の通りとなる.まずは水質汚濁物質の排出総量を制約とした最適化モデルをフィンランドを対象として構築した.制約となる汚染排出水準も,同国内の水域の状況や周辺海域の富栄養化問題に関する文献レビュー等により,水質改善目標として具体的に設定した.モデル構築にあたり,同国の地理データを整理しGISを用いた土地利用分析を行うことで,ノンポイントソースによる水質汚濁物質の排出係数を算出した.その上で経済活動の評価のために産業生産や人口の推移などの基本的なデータを整理してモデル対応のための加工を行った.ポイントソースに関して特徴的だったことは,水管理のための区域が存在しており,一部の排水に関しては行政区域等と異なる設定が存在していた点であり,これを一般的な流域管理と捉えることができた.別テーマとはなるが,このことは流域管理モデルの展開に有用であり,今後検討すべき内容である.
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