2022 Fiscal Year Research-status Report
パネルデータによるタイ農家家計の動学的貧困と貧困対策の政策評価に関する数量的分析
Project/Area Number |
20K01673
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
新谷 正彦 西南学院大学, 公私立大学の部局等, 名誉教授 (70069706)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | タイ社会統計調査個表 / パネルデータ / 疑似パネルデータ / タイム・アナリシス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、タイ中央統計局の社会統計調査のパネルデータを用い、慢性的タイ貧困農家家計の貧困脱出策を数量的に考察することであり、目的達成のため、次の手続きを考えた。すなわち、パネルデータから慢性的貧困農家家計における教育とインフラ投資の関係と、一時的貧困農家家計におけるリスク対応行動を 明らかにする。加えて、「差の差の推定」の方法を用いタクシン政権以降の貧困対策政策の評価分析を行う。同一の分析を、インドネシアについて行い、両国の最終結果より、タイの貧困農家家計の貧困解消策を提示することであった。 2020年度の研究活動の出発点は、タイ中央統計局の社会統計調査のパネルデータの入手であった。ところが、コロナウイルスCOVID-19の世界的流行で、研究代表者は日本からタイ国へ渡航が出来なかったことで、タイ中央統計局の社会統計調査のパネルデータを入手できなかった。サーズの場合のように短期間のコロナ流行の収束を願ったが、コロナウイルスの変異株オミクロン株の世界的流行が収支くせず、2021年度と2022年度も研究代表者は、タイ国へ渡航できず、タイ中央統計局の社会統計調査の パネルデータを入手できなかった。 代替策として、2020年度、研究代表者が、過去に入手済みの2000-2017年の調査年におけるタイ中央統計局の社会統計調査の個表データを用い、農家家計を抽出 し、普通家計と貧困家計に分割し、疑似パネルデータを作成し、初期の目的にかなうように、作業を進めたが、意味ある結果を得る事は、出来なかった。2021年度と本年度も、疑似パネルデータのいろいろの組み合せを行い、分析を行ったが、期待した結果を得られなかった。加え、各年の農家データをプールし、政策効果を抽出 出来るか、Time Analysisを行ったが、期待した結果を得られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
理由 本研究の素材は、タイ中央統計局の社会統計調査のパネルデータであり、2020年度、それを入手することであった。ところが、コロナウイルスCOVID-19の世界的流行で、研究代表者は日本からタイ国へ渡航が出来なかったことで、タイ中央統計局の社会統計調査のパネルデータを入手できなかった。2021年度と2022年度も、世界的コロナウイルスの流行が、収束せず、研究代表者は日本からタイ国へ渡航が出来なかったことで、タイ中央統計局の社会統計調査のパネルデータを入手できなかった。したがって、当初、計画した研究を実施できなかった。 代替策として、2020年度、研究代表者が、過去に入手済みの2000-2017年の調査年におけるタイ中央統計局の社会統計調査の個表データを用い、疑似パネルデータを作成し、初期の目的にかなうように、作業を進めた。疑似パネルデータは、社会統計調査個表データから農家家計を抽出し、普通家計と貧困家計に分割し、地域別、家計世帯主の年齢別、家計人数別、期間別等疑似パネルデータを作成し、分析を行ったが、意味ある結果を得られなかった。2021年度と2022年度も、同様に疑似パネルデータの作成と分析を行ったが、意味ある結果を得られなかった。加えて、疑似パネル作成最後の直前データを何年分か、プールし、Time Analysisをおこない、政策効果の抽出を試みた。プール年の組み合わせをいろいろ変えたが、意味ある結果を得られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度中に日本とタイとで、コロナ流行の終息が進み、研究代表者が、タイ国への渡航が可能となり、タイ中央統計局の社会統計調査のパネルデータが入手出来、研究期間が短くなったが、当初計画どおりの研究が実行できることを期待する。 パネルデータを入手できなかった場合の代替策として、2020年度、2021年度年度と。2022年度の場合と同様に、研究代表者が、過去に入手済みの2000-2017年の調査年におけるタイ中央統計局の社会統計調査の個表データを用い、農家家計を抽出し、作成した疑似パネルデータを用いて、所期の研究目標を達成できるように、努力する。加えて、2021年度と2022年度に試みたTime Analysisによる分析も、続行する。
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Causes of Carryover |
本研究の素材は、タイ中央統計局の社会統計調査のパネルデータであり、2020年度、まず、それを入手することであった。ところが、コロナウイルスCOVID-19の世界的流行で、研究代表者は日本からタイ国へ渡航が出来なかったことで、タイ中央統計局の社会統計調査のパネルデータを入手できなかった。また、2021年度と2022年度も、コロナウイルスが収束せず、タイ中央統計局の社会統計調査のパネルデータを入手できなかった。したがって、本年度計画した旅費、データ購入費、謝金等への支出がゼロとなった。物品費への支出は、研究に関連する図書を購入したためである。 次年度に請求する助成金は、2020年度、2021年度と2022年度計画した研究が、コロナウイルスCOVID-19の収束で、研究代表者がタイへの渡航が可能となり、タイ中央統計局の社会統計調査のパネルデータが入手でき、計画どおり、研究が実行できる研究費用と、当初計画した第4年度の研究費用の合計である。
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