2023 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical research on the effects of auto ownership on parents' time constraints and children's human capital investments
Project/Area Number |
20K01677
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松尾 美和 神戸大学, 経済経営研究所, 准教授 (80745042)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 交通行動 / 時間制約 / 移動制約 / 人的資本投資 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は子育て世帯の時間制約及び移動制約に着目し、親子の交通行動のモデル構築への示唆を得ることと、貧困ひとり親家庭における行動の特徴を明らかにすることの二つを目的として行った。子供の養育を含むケア労働は、多くの場合親の活動可能な時空間に強い制約をもたらすため、親の交通行動に影響与える。当初は、子供の交通行動(移動を伴う活動)や親が子を送迎する行動について、親の移動能力や時間的余裕から受ける影響の分析を行うことを予定していた。経済能力・移動能力・時間的余裕と、子への人的資本投資への関係を調べる。例えば自動車依存度の高い地域では徒歩や自転車で安全に移動できる範囲は限られているため、親の送迎なしでは学校以外の教育・社交の機会が非常に限られたものとなりうるためである。しかし、研究提案後のコロナ禍にともなう社会環境変化を反映し、本研究では出張行動を主たる分析対象として、デジタル技術の普及・活用が交通行動をどの程度変化させてきたのか、特に子育てに伴う行動制約をどの程度緩和してきたのかを分析した。 2023年度は、前年度までのNational Household Travel Surveyの分析結果について論文にまとめ発表した。主となる出張行動の男女差や未就学児の有無による差に関する分析結果はTravel Behaviour and Societyに掲載された(Gaydarska and Matsuo, 2024)。その背景となる2001年から2017年までの出張行動の変化についても別途論文にまとめ、Transportation Research Part A: Policy and Practiceに掲載されている(Matsuo and Gaydarska, 2023)。
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