2023 Fiscal Year Research-status Report
ジェンダー多様性と企業の生産性―女性労働者の年齢構成に着目した実証分析
Project/Area Number |
20K01685
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
平野 大昌 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (70567726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
行本 雅 青森公立大学, 経営経済学部, 准教授 (20536338)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 多様性 / 生産性 / 年齢構成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はジェンダー多様性が企業の生産性に影響を与えるのかを計量分析を用いて実証的に明らかにすることである。また、年齢の多様性という視点を加えて分析を行うことにより、これまでと異なった観点から企業におけるジェンダー多様性の意義を考察することを目的としている。本年度はこれまでと同様分析の精度を向上さ せるために前年度に引き続き分析データの作成・精緻化に努めた。 また、ハーフィンダール指標を用いた多様性の指標が企業の生産性(収益率)に与える影響を分析するだけではなく、多様性の指標として年齢構成におけるどの年代の女性比率、企業の属する産業平均との乖離など、ジェンダー多様性に関する様々な指標を用いることにより、多角的な視点からの分析を試みた。また、生産性の指標の一つである全要素生産性(TFP)に関しても、最新の統計手法を用いることによって生産性の測定に関しても精度の向上を試みた。 その他、企業におけるジェンダー多様性の意義を労働政策的な視点からも考察するため、昨年度に引き続き企業のジェンダー多様性が労働市場における女性の就業行動を変化に関する分析にも着手した。分析の結果、15歳時における居住地の労働市場の女性雇用比率が高いことは女性のジェンダーロール意識を通して女性の就業に影響を与えることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
主な理由としては、前年度に引き続き新型コロナに関する対応やそれに付随する学内業務等が多忙であったことおよび研究分担者との密な打合せが困難であったことである。
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Strategy for Future Research Activity |
分析方法の精緻化を行い、企業の多様性が生産性に与える因果関係を分析する。そして、研究成果をまとめ、ディスカッションペーパーの作成及び論文の投稿を目指す。
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Causes of Carryover |
学会参加等に対する旅費等に使用できなかったため次年度使用額が生じた。
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