2020 Fiscal Year Research-status Report
少子高齢化社会における社会保障制度と地域の持続可能性に関する空間経済学分析
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20K01693
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
内藤 徹 同志社大学, 商学部, 教授 (90309732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 光 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (10313967)
伊ヶ崎 大理 日本女子大学, 家政学部, 教授 (10336068)
福山 博文 日本女子大学, 家政学部, 准教授 (40409537)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 空間経済学 / 世代重複モデル / 待機児童 / ふるさと納税 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究期間1年目であったため,各班はそれぞれ既存研究のサーベイおよび新たなモデルの構築を図った.空間経済学班では,研究プロジェクトの中間成果として,Urbanization, Waitlisted Children, and Childcare Support in a Two-Region Overlapping Generations Modelを2020年度日本経済学会春季大会において報告をおこなった.本学会で得たコメントをもとに修正した修正を投稿し,欧文査読誌であるRegional Science and Policy and Practiceにアクセプとされ公刊された.本研究では待機児童問題を抱える都市部とその問題がない農村の2地域を考え,世代重複モデルを応用し,出生率を内生化したモデルで地域間の人口移動について分析をしている.また租税競争班もIntergovernmental competition for donations: The case of the "Furusato Nozei" program in JapanがJournal of Asian Economicsに公刊されるなど地方財政の行動については一定の研究成果が達成された.しかしながら,GIS班およびマクロ班はコロナ禍の影響で研究の進ちょく状況が予定通りには進まなかったため,引き続きプロジェクトを遂行する予定である.また,コロナに伴う緊急事態宣言が出生に与える影響を実証し,欧文査読誌に投稿中である.本研究では緊急事態宣言にともなう,特別警戒区域に指定された13都道府県を処置群,それ以外を対照群とし,差の差分法で推定した結果,対照群の妊娠届け出数に得有意な差があったことを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨今のコロナ禍のため,打ち合わせや海外での資料収集の進ちょく状況が思わしくなく,当初の予定よりもやや遅れている.しかしながら,財政班と空間経済学班は欧文査読誌への公刊,学会報告を行っており一定の進度をみることができた.昨今の状況を鑑みると,海外での学会報告や資料収集については,まだ予断を許さないため,来年度については,各班が独自で既存研究のサーベイと新規モデルの構築に注力し,3年目以降に研究成果の公開に重心を置く予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
一部の班で資料収集が順調に進まずサーベイが遅れ,新規モデルの構築に時間を要している.コロナの状況次第であるが,研究分担者との打ち合わせを増やし,今年度の遅れを来年度に挽回する予定である.なお,空間経済学班と財政班はすでに論文を公刊し,次のステップに進んでいるため,今後はこのペースで研究を進め,外国での報告が可能になり次第,積極的に海外での報告を行い,一義的な目標である論文の投稿,公刊を目指す予定である.
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Causes of Carryover |
今年度は,世界的なコロナウィルスの感染拡大により,当初予定した国際会議での報告および資料収集をすべて中止せざるを得なかった.また,また国内の研究分担者との研究打ち合わせもオンラインで実施したため,当初執行予定としていた金額を執行することができず次年度に使用することとなった. 現在のところ,ワクチン等の普及により秋以降の国際会議において報告および資料収集の機会を検討中であり,今年度執行ができなかった金額分については次年度に執行する予定である.現在のところこ北米地域学会(11月デンバー),西部地域学会(2月サンディエゴ)で現在の研究成果を報告する予定である.
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Research Products
(4 results)