2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K01716
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
土門 晃二 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (00264995)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | コピー商品の外部性 / 模倣食品と流通経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、3本の論文を執筆し(内2本は編著書籍内)、またオンラインによる国際コンファレンスを開催した。 最初の論文は、昨年度より修正を行っていたもので、欧州の「法と経済学」の学会誌で最終的に受理・掲載された。レフェリーの指摘に答える中で、均衡値の非負条件、パラメーターの制約条件について詳細に分析し、経済的に問題のないモデル分析であることを説明した(主な結果は、昨年度の研究実績概要を参照)。 二本目の論文は、日本食品の模倣品被害(主に商標権・意匠権侵害)の現地調査について、経済学的な制度分析を行った。複雑な流通経路および各流通段階での不完全情報の存在、歴史的な産業発展の背景によって、理論的分析では考察が難しい現象を関係者へのインタビューおよび市場調査から得られた情報に基づいて明らかにした。 三本目の論文は、2018年の拙著の中の論文を拡張し、類似商品(look-alike goods)の商標権・意匠権保持者への影響を分析し、社会的に最適な参入企業数と私的に最適な参入企業数の相違を考察した。それによって、参入規制の必要性の有無、および条件が明らかにされた。 また、コロナウイルスのために、オンラインでの国際コンファレンスを開催、「法と経済学」の専門家が参加し、違法行為に関する発表および意見交換を行った。上記の二本目の論文は、そこで発表されている。このコンファレンスの発表論文の一部は、成果発表の書籍として出版され、海外も含め「法と経済学」に関係する研究者に配布した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は、コンファレンス開催、英文書籍刊行、学術雑誌論文掲載と、昨年度のコロナウイルスによる研究の遅延を挽回できた。海外の研究者との交流も進み、研究内容を広く行き渡らせることもでき、十分な成果を出すことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、意匠権・商標権に関する積み残してある論文を完成させ、学術雑誌に投稿する予定である。また、ワーキング・ペーパーをセミナーおよびコンファレンスで発表し、議論も煮詰める予定である。本年度後半には、アジアの「法と経済学」に関係する研究者と交流を深めるために、コロナウイルスの感染状況を見ながら、海外での調査を含めたセミナーを開催することも考えている。
|
Causes of Carryover |
コロナウイルスの影響で、海外でのコンファレンスおよびセミナーでの発表ができなかった。2022年度は、その経費(出張旅費)を使用する予定である。
|
Research Products
(6 results)