2023 Fiscal Year Research-status Report
Study on the impact of cognitive ability and financial literacy on household savings, labor supply, and wealth accumulation
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20K01717
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Research Institution | Research Institute of Economy, Trade and Industry |
Principal Investigator |
中田 大悟 独立行政法人経済産業研究所, 研究グループ, 上席研究員 (10415870)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 金融リテラシー / リスク資産保有 / 新型コロナ感染症 / 時間選好 / 危険選好 / 認知能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本科研費研究においては、家計の金融リテラシーや認知能力の差異が、家計の経済行動をどのように規定しているのかという問題について、ミクロ計量経済分析で明らかにすることを目的としている。
2023年度においては、前年度から継続している研究テーマとして、資産保有経歴としてリスク性資産を保有したことがある家計が新型コロナ危機の初期段階においてどのような感染回避行動を行ったのか、という分析の改訂を行った。これは、関西のある自治体で2017年から2年ごとに実施している健診パネル調査を用いた傾向スコア逆確率重み付き推計であるが、教育水準や健康状態、家族属性などをコントロールしたうえで、リスク金融資産保有歴が長い人は新型コロナ危機においてリスク選好をより敏感に変化させており、その結果、緊急事態宣言の発出、終了に合わせて感染予防行動にメリハリをつける傾向が強く、特に現役世代 のリスク資産保有者はマスク着用からの忌避が、老年世代のリスク資産保有者においては複数回外食行動への回帰が有意に見られたことを示している。この論文については、現在、しかるべき学術雑誌への投稿準備に入っており、早期の公刊を目指している。
また、本テーマの補完的な研究として、新型コロナパンデミック危機において、政府がどのような補助金政策や減税政策を行い、どのようなインセンティブ付与を行ったのかという点について、国内外の主要政策を概観し、またそれらに対して経済学者がどのような実証分析を行っているのかを広範にサーベイする論文を執筆、公刊した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の研究計画では、本年度は、別のデータセットを用いた家計の金融リテラシーと将来不安がリスク資産の保有比率に与える影響や資産蓄積行動、 特に無資産世帯の属性の決定要因の実証研究と、中高齢者の金融リテラシーが年金受給の繰り上げ、繰り下げ受給に与える影響に関する実証分析の改訂作業を進める予定であったが、これに十分に着手できなかった。これは、本研究とは異なるマクロ経済分析の研究実施に想定外の時間がかかってしまったことが一因ではあるが、次年度においては、本研究の残りのテーマを中心に研究を進め、遅れをリカバーする予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の通り、次年度は家計の金融リテラシーと将来不安がリスク資産の保有比率や資産蓄積行動に与える影響、無資産世帯の属性の決定要因の分析、中高齢者の金融リテラシーが年金受給の繰り上げ、繰り下げ受給に与える影響に関する実証研究を中心に研究を進め、遅れを取り戻す予定である。
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Causes of Carryover |
当初に計画していた分析の進捗が遅れたことにより、投稿論文の英文校正や学会発表のための旅費支出が発生しなかったことが主たる要因となり、次年度使用額が生じたものと考えている。次年度は、これらの支出を行い、研究計画の完遂を期することとする。
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Research Products
(2 results)