2020 Fiscal Year Research-status Report
Application of Asymptotic Expansion Methods to comparison among SABR-type models
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20K01748
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| Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
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Principal Investigator |
竹原 浩太 東京都立大学, 経営学研究科, 准教授 (70611747)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | SABR-model / 漸近展開法 / 多次元モデル |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では，学会での研究及び金融実務への導入，双方で近年重視されるいわゆる「SABR 型」の各モデルについて，相互の関係を数値実験での比較だけでなく，解析的な分析により比較することを目標としている．具体的には，ファイナンスへの応用事例の多い「漸近展開法」のうち，近年開発されている「非正規分布周りの展開」手法を用いることで，あるモデル(target)を，基準となる別のモデル（base）の周りで，「target=base+修正項」という形で展開し，修正項を陽に導出することで，targetモデルとbaseモデルの関係性の理解や，モデル間のシステム移行の際の見地を得ることを目指している．
中でも2020年度は，まず現在学会及び実務で提案・使用されている各種「SABR型モデル」や，それらモデルにおける（オプションのインプライド・ボラティリティに対する）近似解の導出手法，また実務への導入具合の調査等を文献ベースで行った．加えて，今後の比較検証を行うため，基準の一つとなるモンテカルロ・シミュレーションについての整備も行った．こうした結果は本研究における成果を実際に確認する際の問題設定や，その精度検証の際に役立つものと考えている．
これに加えて，前述の「非正規分布周りの展開」手法について，既に整備されていた1次元モデルに対する手法を多次元，特に今回問題となる2次元モデルへ拡張できるか検討を行った．こちらについて肯定的な結果が得られたことは，次年度以降につながるものと考えている．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画においては，2020年度の実施内容を1)SABR型モデルやその近似手法，実務への応用に関する文献調査，2)SABR型モンテカルロ・シミュレーションの構築，3)「漸近展開法」の「非正規分布周りの展開」手法に関する，多次元モデルへの拡張，の3点と予定していた．
このうち，1)については各種文献調査によりモデルの整理，また各モデルに対してどのような手法・パラメータ下で解析（近似）解を与える手法が開発されているかを整理した．概ね予定通り進行していると言ってよいであろう．また2)についても，各種SABR型モデルに基づくオプション価格，インプライド・ボラティリティを計算するプログラムをpython上に実装し，先行研究とも矛盾しないことを確認した．
一方，3)については限定的ではあるが，「非正規分布周りの展開」手法についてSABR型モデルに必要な形を含む拡張を行った．理論面での精査はまだ十分ではないものの，こちらもある程度順調に進行していると言う事ができる．
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| Strategy for Future Research Activity |
当初計画では，2021年度には1)ここまでの分析に基づき，様々あるモデル間の組み合わせから，どのモデル間の関係性を導出するかの検討，及び2)それらに対する「非正規分布周りでの漸近展開法」の応用を行い，2022年度には3)結果の体系的分析，4)論文執筆・学会発表等のアウトプット，5)追加実験などを行うことになっていた．
前項にある通り2020年度の進行は概ね順調といえるため，2021年度は当初計画通り前述1)2)を中心に進めつつ，翌年度の4)を念頭に各種アウトプットに結びづける準備も行っていきたい．
またそれと併せ，2020年度に十分できなかった多次元下での「非正規分布周りでの展開」手法の更なる一般化，及び理論面での精査も行っていきたいと考えている．
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| Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症（COVID-19）による影響が，当初想定していたよりも長く続き，国際学会への参加や内外への出張機会が殆どなかったことが大きい．また物品については本格的な，負荷の高い数値計算は翌年度以降に行われるため，機材をそれほど必要としなかったことも支出額が少なくった理由である．
2021年度については，引き続きCOVID-19により内外への出張機会は限定的になると予想されるものの，学会開催自体はオンラインに移行しつつあるため，その参加費等である程度の支出が予想される．また前述の通り2021年度から数値実験の頻度も上がる為，適切な機材購入等も含めて使用する計画である．
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Research Products
(4 results)
