2022 Fiscal Year Annual Research Report
On Property Liability Insurance Demand of Small and Medium-sized Enterprises- Empirical Evidence Based on Finance and Insurance Theories-
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20K01756
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
浅井 義裕 明治大学, 商学部, 専任教授 (60433645)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 中小企業金融 / リレーションシップバンキング / 損害保険 / 生命保険 / 金融教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の製造業の中小企業2000社(従業員数21名以上500名未満)に対して、アンケート調査(中小企業企業の保険とリスクマネジメント(新型コロナウイルスの感染拡大期)に関する実態調査)を実施した。そのうち、265社から回答を得て、主に以下のことが明らかになった。 本研究では、損害保険料は約220万円(中央値)、生命保険料500万円(中央値)であることが明らかになり、損害保険料、生命保険料は過去のアンケート調査の結果と整合的であることが確認できた。 また、中小企業がリスクに対してカバーしている保険金額については、従来は情報が少なく、研究を進めることが難しかったが、地震保険(12.1%が購入。中央値は4000万円)、製造物賠償責任保険(PL保険)(29.4%が購入、1億円)、事業中断保険/利益・費用保険(5.2%が購入、中央値は1億円)、サイバー保険(6.5%が購入、中央値は2500万円)、法定外労災保険(16.5%が購入、中央値は1000万円)、取引信用保険(4.4%が購入、中央値は5000万円)、会社経営者賠償責任保険(D&O保険)(2.4%が購入、中央値は5000万円)であることが明らかになるなど、個別のリスクについて、保険でカバーしている実態が明らかになった。また、1社当たり仕入先が50社(中央値)、販売先が80社(中央値)であることも確認できた。 本アンケート調査の結果、今後は、企業の財務データを購入して、「どのような中小企業が、どのような種類の保険を購入する傾向があるのか?」を明らかにすることが可能になった。また、本研究の結果は、中小企業の保険需要の実態を明らかにするという学術的貢献だけではなく、災害に備える中小企業を政策的に支援するなどを検討する際の資料としても有用であろう。
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Research Products
(2 results)