2021 Fiscal Year Research-status Report
The Effectiveness of Filtering, Frequency Domain Analysis, and LASSO on Forecasting Future Exchange Rates
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20K01775
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
和田 龍磨 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 教授 (20756580)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 周波数領域 / LASSO / 時変係数モデル / バンドスぺクトラル回帰 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目となる2021年度は、周波数領域において為替レート予測を行い、あらかじめ設定した周波数領域での予測精度が、時間領域での予測精度を上回るかという問題について扱った投稿中の論文の改訂作業を行った。この論文では、あらかじめ設定した複数の周波数帯をベイズモデル平均法を用い、予測にとって比較的重要な周波数帯を探し出したほか、以前に推定を行った通り、複数の既存の為替レートモデルに基づいて制約をほぼ取り払った上でLASSOによって予測に重要となる周波数を見いだして予測をするという手法によって推定・予測を行った。 並行して本年度は一般化最小二乗法によって時変係数モデルを推定する方法の推定精度についての考察も行った。本研究課題において時変係数モデルとその推定を扱う理由は、為替レートのような複雑な経済時系列の場合には、その予測手法の1つとして、周波数領域による予測と精度を比較する対象として重要と思われるからである。時変係数を含むベクトル自己回帰モデルは近年マクロ経済学の分野で頻繁に使われるようになってきたが、推定が大変複雑であるという問題がある。このため、時変パラメター推定における標準的な方法であるカルマンフィルターを用いた方法ではなく、線形回帰の問題に置き換えることで、一般化最小二乗法によって簡易に推定するという手法を従来から用いてきたが(Ito et al, 2014, 2016, 2021)、その手法の推定精度をシミュレーションによって求めた。この論文の改訂作業を行い、Ito, Noda, and Wada (2022) として掲載が決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
周波数領域での為替レート予測についての論文は投稿後に改訂依頼を受け、改訂作業を行った。このため、1つ目の論文はほぼ形になり、本研究課題はおおむね順調に進展していると考えている。今年度はコロナのために開催される国際学会が少なかったこともあり、発表の機会は限られていたが、論文掲載という最終目標には近づけたと認識している。
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Strategy for Future Research Activity |
為替レート予測においてLASSOを使用する際にはいくつかの定式化が可能であり、2021年度の論文で示した方法以外に、いくらかの制約をかけて推定・予測を行った方が予測精度において優れていることが考えられる。また、効率的にLASSOのハイパーパラメター推定法についても検討を要すると考えられる。このように、LASSOを用いての予測の精緻化を今後(2022年度)の課題とする。
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Causes of Carryover |
コロナにより、予定していた国際会議発表のための出張旅費を支出しなかったため。未使用分については、すでに2022年度に開催される国際学会での報告が決定しているため、その旅費に充てる予定である。
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