2022 Fiscal Year Research-status Report
The Effectiveness of Filtering, Frequency Domain Analysis, and LASSO on Forecasting Future Exchange Rates
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20K01775
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
和田 龍磨 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 教授 (20756580)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 周波数領域 / LASSO / 為替レート予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
3年計画の最終年度にあたる2022年度は、まず、これまでに取り掛かった論文を最終的に国際専門誌に掲載されるように努めた。伊藤幹夫氏と野田顕彦氏との共著論文である”An Alternative Estimation Method for Time-Varying Parameter Models”をEconometrics誌に、そして単著論文である”Out-of-Sample Forecasting of Foreign Exchange Rates: The Band Spectral Regression and LASSO”をJournal of International Money and Finance誌に掲載となった。前者は時変係数を持つ、かなり広範なモデルに適用可能な推定法の提唱であり、この推定方法は真のパラメター値に近い値が推定できるという意味で、比較的良好な性質を持つことを示した。後者は、為替レート予測において、バンドスペクトラル回帰を使うことで、周波数領域でモデルのパラメター推定を行い、それを用いて将来為替レートを予測するという、従来の予測方法と異なる手法を提唱した。さらに、モデルのパラメター推定を周波数領域に置き換えたのち、ビッグデータを用いた予測で用いられるLASSOを適用することによってバンドスペクトラル回帰のように、あらかじめ使用する周波数帯を指定することなく、予測が可能になることを示した。国際学会でも2回の発表を行ったほか、論文はオープンアクセスとして広範囲の読者に公開することに努めた。 LASSOについては、周波数領域でのパラメター推定から予測を行うという、本研究計画での手続きにおいて、その予測における有効性およびパラメター推定に用いられる周波数帯の解釈にさらなる検討が必要と思われ、論文掲載決定後はこの点について研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国際専門誌に2本の論文を掲載することができ、外部への公開・公表という側面では当初の予定通りではあるが、研究計画ではさらに踏み込んでLASSOの有効性を様々な角度から明らかにするつもりであった。研究内容としてはまだ当初計画に到達しておらず、これは主に投稿論文の査読及び改訂に予想以上に時間を要したことも一因である。
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Strategy for Future Research Activity |
延長を行う2023年度は、2022年度後半に行ったように、LASSOを用いた場合の予測の信頼性、すなわち将来予測にどれほどの予測誤差を見込むべきかについて考察と、LASSOを用いたパラメター推定で選択される周波数帯の解釈についてさらに検討を行う。その後、なるべく早く結果を論文にまとめて発表できるようにするつもりである。
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Causes of Carryover |
コロナにより、国際学会がオンライン開催になったことにより予定額を下回った。2023年度は旅費への充当を予定している。
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