2022 Fiscal Year Research-status Report
Dynamic analysis on financial system development
Project/Area Number |
20K01778
|
Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
大野 弘明 明治学院大学, 経済学部, 教授 (20554934)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 双曲割引 / 金融市場の発展 / 経済成長 / 資産価格 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. Hyperbolic Discounting and State-Dependent Commitment:小川貴之氏(大阪経済大学経済学部)との共著論文が国際査読誌より改訂要求を受け、改訂作業をおこなった。改訂点として、効用関数の一般化、老齢期における賦存の追加、借入制約の一般化に関するものであったため、再計算を行った。それ以外の改訂要求の対応を行った。 2. Hyperbolic Discounting and Closed-End Fund Puzzle:本研究では1の分析について資産価格理論のモデルに拡張し実証的に観測されアノマリーとされるクローズドエンドファンドパズルの問題を説明しうる条件を明らかにした。1の論文に合わせた一般化が可能である見込みであり、それらを計算次第追記し2023年度中に国際査読付き誌に投稿予定である。 3. Insurance vs Commitment:上の二つの分析では柔軟性とコミットメントの対立軸について新たな経済学的な知見を与えることを行ったが、保険とコミットメントの対立軸という新たな分析課題が追加された。具体的には動学的マクロ経済学の文脈において保険は時間とリスクの問題に対する最重要概念の一つであると考えられている。しかし、今回の研究課題下の計算結果では、個人の時間非整合性の問題を解決するためのコミットメントは個人の消費貯蓄行動において保険概念と代替的に選択される可能性を示すため計算を行っている。本研究結果についても2023年度中の論文完成を目指す。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論モデルの構築については当初の予定を上まっている。一方で、カンボジアを対象としたマイクロファイナンスの実証パートについては政治的な観点から今年度の実施は難しいと判断する。
|
Strategy for Future Research Activity |
上記の理論モデルの構築については共同研究で進めていく。
|
Causes of Carryover |
当初予定していた実証パートのフィールド実験がコロナ禍で実施できなかった。また、次年度において、理論モデルの構築の運用に用いるためのソフトウェアなどの環境を整備する。また、分析対象とする地域を変更する必要が生じているため、調査費用に用いる。
|