2022 Fiscal Year Research-status Report
Rating Information and Solvency Margin Ratio as Indicators for Selecting Insurance Companies
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20K01782
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
徳常 泰之 関西大学, 商学部, 教授 (20340648)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 保険会社 / 格付情報 / ソルベンシー・マージン比率 / 再保険 / 情報開示 |
Outline of Annual Research Achievements |
1990年代後半以降、護送船団行政から脱却し、保険業界に競争原理が持ち込まれる環境に移行した。それ以降、保険契約者にとって破綻する可能性が高い保険会社を避けて、破綻する可能性が低い保険会社を選択することの重要性が増加している。契約者自身が契約した保険会社の財務内容について関心を持つ必要性が出てきたが、保険会社を選択する指標としての格付情報やソルベンシー・マージン比率の役割を明らかにすることが研究の目的である。2022年度は日本の保険会社を選択する指標としての格付情報とソルベンシー・マージン比率の位置づけについて、生命保険会社に焦点を当てて考察を深めることを中心に研究を進めてきた。 2022年度の研究実績として、「生命保険会社と格付情報」というテーマで研究報告を行った(日本保険学会関西部会、2022年11月19日)。 この研究報告では、生命保険会社が取得している格付情報を用いたモデルでは受再保険料または責任準備金を被説明変数として、総資産、正味保険料収入、元受保険料収入、格付情報の変化、格付情報取得数、当期純利益/当期純剰余、事業比率などを説明変数として重回帰分析を行った。またソルベンシー・マージン比率についても同様に受再保険料または責任準備金を被説明変数として、総資産、正味保険料収入、元受保険料収入、ソルベンシー・マージン比率の変化、当期純利益/当期純剰余、事業比率などを説明変数として重回帰分析を行った。格付情報を用いた分析では、受再保険料または責任準備金を被説明変数にしたモデルともに一定の説明力があった。またソルベンシー・マージン比率を用いた分析でも、受再保険料または責任準備金を被説明変数としたモデルでも一定の説明力があった。格付情報の変化やソルベンシー・マージン比率の変化が生命保険会社の業績に影響を与えている可能性が確認できた。現在はこの内容をもとに論文を執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2022年度は日本の生命保険会社を選択する指標としての格付情報とソルベンシー・マージン比率の位置づけや生命保険会社における再保険について考察を深めていくことを中心に研究を進めてきた。保険会社の年次報告書や格付会社の最新の公開情報を収集することも継続して行い、分析に必要なデータベースを作成・更新作業も2022年度(2022年3月期)までの保険会社の業績までは完了している。 新型コロナウイルスの影響でオンラインでの開催になった研究会もあった。中国で開催予定であったAsia Pacific Risk and Insurance Association(APRIA)、日本保険学会の全国大会、生活経済学会、保険学セミナー(公益財団法人生命保険文化センター主催)や保険経営研究会(ニッセイ基礎研究所主催)などはオンラインでの参加となった。 論文執筆や損害保険業界と生命保険業界における再保険の位置づけの違いを踏まえた分析モデルの検討に時間がかかっているため当初の想定より遅れていると判断している。 当初に予定していた研究期間(3年)では研究が完了しなかったため、予定を1年延長することになった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の研究実施計画は、前年度に引き続き保険会社の年次報告書や格付会社の公開情報を収集し、分析に必要なデータベースを作成・更新し最新のデータを準備する。併せて、格付情報やソルベンシー・マージン比率と保険会社の財務状況、契約状況や再保険との関連性を分析していく。2022年度に引き続き今年度も生命保険会社に焦点を当てて研究を進めていく。保険会社や格付会社のデータを収集し得られたデータの分析とモデルを構築することを中心に研究を進め、本研究をまとめていく期間として位置づける。 損害保険業界と生命保険業界における再保険の位置づけが異なると考えられるため、損害保険業界と生命保険業界における再保険の位置づけの違いについて明らかにし、生命保険会社の分析に適したモデルを設定し、分析を進めていく。 損害保険事業総合研究所、日本損害保険協会、生命保険協会、生命保険文化センター、日本生命文研図書館などで文献収集を行う予定にしている。2023年度に参加予定している主な研究会は、APRIA(関西大学で開催予定)とEARMI(開催地未定)、日本保険学会、生活経済学会、保険学セミナーや保険経営研究会などである。得られた研究成果は適宜、学会などで報告する予定にしている。
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Causes of Carryover |
2022年度に中国で開催予定であったAsia Pacific Risk and Insurance Association(APRIA)に参加を予定していた。しかし、オンラインでの開催に変更されたため計上していた外国旅費を使用しなかった。また、東京での開催予定であったEast Asia Risk Management and Insurance Workshop(EARMI)は日程の都合で参加できず、他にもオンラインでの研究会参加が多数あったため計上していた国内旅費を使用しなかった。 これらの学会で得られた研究成果を報告するために必要となる英文校閲の経費は引き続き計上しておく。
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Research Products
(1 results)