2022 Fiscal Year Annual Research Report
A study on international monetary policy coordination under the zero lower bound on nominal interest rates: The role of downward nominal wage rigidities
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20K01784
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Research Institution | Momoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
井田 大輔 桃山学院大学, 経済学部, 教授 (50609906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 光洋 大阪学院大学, 経済学部, 准教授 (20635065)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 二国ニューケインジアンモデル / 名目賃金の硬直性 / 最適金融政策 / 国際政策協調 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績は、次のとおりである。まず、井田・岡野は共同で本研究課題の初年次において作成した理論研究の論文を学術雑誌International Financeに投稿し、改訂要求に対応後、2022年12月末に採択(accept)の連絡を受けた。22年度は論文の改訂要求に対応するために計画を立てて時間を割いた。次に、今後の拡張として、一年目のモデルを用いて国際政策協調からのゲインを計算するための非線形モデルの作成とそのシミュレーションアルゴリズムについて検討してきた。非線形モデルについては23年度半ばに完了する予定である。またシミュレーション分析のためのプログラミングについてもベースのものが出来上がりつつある状況にある。また、モデルの不確実性がある状況下での頑健な最適金融政策についても論文を作成し、Economic Modelling誌に採択が決定した。
次に、井田については、自身の論文の二点について海外学術雑誌から改訂要求があり、修正後掲載された。そのうちの一本は、賃金粘着性と流動性制約家計の存在を加味した二国通貨同盟モデルである。この研究は、Journal of International Money and Finance誌に掲載された。このモデルは今後、井田・岡野の共同論文への応用可能性やゼロ金利制約の問題、所得不平等の問題を開放経済モデルで考えるうえでの基礎研究となっている。
最後に、岡野については、消費の習慣形成を加味した二国ニューケインジアンモデルを作成し、最適な金融政策を模索している。本モデルについても、井田・岡野の共同研究への応用可能性も視野に入れている。特に、消費の習慣形成が入ったモデルは実証的な観点からも重要であり、井田・岡野のモデルへの応用を視野に入れることで、モデルの実証分析にも応用することができる。
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