2023 Fiscal Year Research-status Report
Life with horses---making livestock data from micro-level documents
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20K01799
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
高橋 美由紀 立正大学, 経済学部, 教授 (50361845)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 馬 / 牛 / 家畜 / 経済史 / 人口 / 世帯経済 / 地域経済 / 農耕 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、コロナウィルスの五類移行に伴って研究調査に関する出張にも行きやすくなった。そのため、8月26日~28日には、かねてよりの課題であった牛の博物館(岩手県奥州市)を中心とする東北の現地調査に赴いた。牛の博物館では史料は得られなかったが、企画展の資料を得ることができた。また、胆沢郷土資料館では、実際の馬沓・牛沓を確認することができ、たいへん有意義であった。そのほか、本研究とは別の用件で赴いた下田では玉泉寺を訪れ、牛の屠殺に関する供養に関して知見を得た。また、12月には、福島県郡山市歴史資料館に研究補助者とともに行き、馬など家畜に関する史料の撮影をおこなった。この地域は研究代表者自身も人口に関する研究を進めており、人口・経済と家畜に関する有機的な研究が可能である。撮影史料に関しては現在解読・整理中である。 データの増強に関しては、既所有資料や麗澤大学PFHP(人口・家族史研究プロジェクト)内にある資料の入力をおこなった。現在50ヶ村弱の入力を終えている。入力は牛馬頭数と世帯人数を中心としているが、今後世帯持高とリンクすることを検討中である。また、近世初期の家畜統計『小倉藩人畜改帳』の入力方法について検討を進めている。 研究成果の報告等に関しては、2023年3月に慶應義塾大学古文書室が中心となって慶應義塾大学三田キャンパスで開催した展示「動物たちの江戸時代」でも研究代表者は近世の牛馬について展示発表をしているが、これを慶應大阪シティキャンパスでもおこない(2023年12月2日~2024年3月20日)、初日にはギャラリートークを担った。なお、本展示に関しては本年度中に書籍として慶應義塾大学出版会から刊行予定である。 また、既発表研究の英書刊行(分担執筆)はかねてより計画があったが、出版社の事情から別の出版社からの刊行へ移った。これについても、本年度中には刊行予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究成果報告に遅れが生じている。2023年度は幾つかの論文が書籍内所収論文として公開される予定であったが、英書出版については、すでに刊行している予定であったが、出版社の事情から刊行が適わなくなり、他出版社へ移行したため書式の体裁などを整えるところから始まったため。 そのほかデータ整理に若干の遅れが生じ、研究成果のまとめに遅れが生じている。これに関しては、研究最終年度である2024年に進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は研究最終年度であるので、これまでに収集した資料の整理をおこない、論文等の形で報告・発表していくことを中心とはするが、必要に応じてデータ収集や入力も続けていく。その理由は、本研究の趣旨である日本全国の近世家畜データ収集にはまだ至っていないからである。 すでに入力を終えている50ヶ村弱のデータに関しては整理・分析をおこなうとともに、他のデータや記述資料から家畜の使用と世帯経済(SES, Social Economic Status)および地域経済に関する状況を明らかにしていく。世帯経済に関しては持高とのリンクをおこなっていく。 近世初期の家畜統計ともいえる『小倉藩人畜改帳』(大日本近世史料、東京大学出版会)は、ぜひデータ化したい史料であるが村ごとに記載が異なり複雑であるため現在入力方法を検討中である。 整理したデータをもとにして、論文にまとめていく。また、予定されていた英語書籍(分担執筆)に関しては、当初予定していた出版社から、the Slovenian Scientific Series for Humanities at the University of Primorska Pressからの刊行(オンライン出版)へ移行したが2024年度中に刊行予定である。また、研究代表者が関わった展示に関する『動物たちの江戸時代』(仮題、慶應義塾大学出版会)も2024年度に刊行予定である。 データの公開に関しては、方法を検討中である。
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Causes of Carryover |
当初想定していたよりも、PDFなどで書類を電子的に配付することが多くなったため、書類等を印刷する必要が無くトナーの使用量が減ったため。および、他の研究との関連から、物品費を他の研究費で支出したため。 想定外のもう一つの事情として、研究初年度に購入したパソコンが作動しなくなってしまったため、研究最終年度ではあるが必要からパソコンを本年度購入する。
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