2021 Fiscal Year Research-status Report
Quantifying the impact of Opium to Living Standard and Government Fiscal Behavior in British Malaya, British North Borneo and British Burma
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20K01800
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
杉本 一郎 創価大学, 国際教養学部, 教授 (50546364)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 英領期シンガポール / 阿片 / 生活水準 / 長期経済統計推計 / 植民地政府財政行動 / 英領期ボルネオ / 英領期マラヤ / 英領期ビルマ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も昨年度同様に、コロナの影響により海外渡航が叶わず、基本的に国内での研究となった。データ入手については、多くの2次文献を収集し、論文作成の幹を構成することができた。また以前収集した資料を基に、海峡植民地の病院におけるアヘン常習者の生活状況や、関連統計資料についてデータ入力を進めることができた。ボルネオ、ビルマについては、本学が契約している19th/20th House of Common Parliamentary Papersへのアクセスを通じて、関連する報告書、統計データなどの関連資料を入手することができた。 研究成果としてはセミナーならびに国際会議で2回の報告をおこなった。1つ目2021年4月1日に世界銀行 クアラルンプールが主催して行われたリサーチセミナーで「英領期シンガポールにおける華人アヘン消費者の生活水準について」と題して英語で研究成果の報告を行った。参加者からは活発な意見ならびに質問を受けることができた。2つ目は6月16日に開催された第6回世界・グローバル史に関する欧州会議(Euはropean Congress on World and Global History)において、同様の内容について報告をおこなった。どちらもZoomによる開催であったため、長時間のを意見交換をすることができなかったが、多角的な意見を伺うことができ有意義な機会となった。2つ目の会議主催者から、10月に当該研究に関連した研究書Kim, Diana S. Empires of Vice: The Rise of Opium Prohibition Across Southeast Asia. Princeton University Press, 2020の書評担当者となり取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍による渡航宣言処置等の理由により、研究関連資料が存在する公文書資料館等への訪問・資料検索と収集・購入が進まなかった。特に英領期ボルネオと、ビルマに関する資料が相対的に足りていない。早い段階で英国公文書館や、シンガポール国立図書館等への関連機関を訪問し、最終的な資料購入を行いたかった。英領期マラヤとシンガポールについては既に一本提出ができたが、本来予定した2本目、3本目の論文への本格的な着手ができなかった。同様の研究を他の地域に拡大するところまで、進んでいないのが現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
データ収集については、なるべく早い段階で英領期ビルマとボルネオ地域の資料の入手と関連データの抽出、推計を行う研究作業に取り組んでいきたい。 研究成果については共著者のChoy Keen Meng博士と論文を作成し、Journal of Southeast Asian Studiesに提出した論文「OPIUM CONSUMPTION AND LIVING STANDARDS IN SINGAPORE 1900-1939」が4月初旬に正式に受理された。本年中の出版を想定している。 今後は、海峡植民地、FMS、ジョホール州を対象に、Opium Revenue Replacement Reserve Fund (ORRRF)に関する植民地政府財政行動に関する論文の作成と投稿・出版を目指して準備を行っていきたい。 また英領期シンガポール、英領期マラヤの一部の州、英領期北ボルネオ、英領期ビルマ一地域を対象にした阿片消費者と生活水準の比較にも取り組みたい。
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Causes of Carryover |
コロナの影響で当初予定していた
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Research Products
(2 results)