2021 Fiscal Year Research-status Report
高度経済成長期首都圏住宅団地における住民意識の比較―維持管理に注目して
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20K01809
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Research Institution | Tokuyama University |
Principal Investigator |
小林 啓祐 徳山大学, 経済学部, 准教授 (10848972)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 都市 / 団地 / 高度経済成長期 / 維持管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度もコロナ禍により十分な調査ができたとは言えないが、コロナ禍が弱まった時期において埼玉県および千葉県において調査をすることができた。特に、埼玉県においては文書館において「社宅」の建築と日本住宅公団の関係性がわかる史料の一部が発見できた部分については評価できる点であろう。 これまで日本住宅公団の建設において、注目されてきたのはいわゆる個人向けの住宅であった。筆者が調査した千葉県においても、一般向けに建設したのちに会社が購入し、社宅として運用したケースは確認していたが、今回発見した建設当初より社宅を作るというケースは資料上明らかになっていない部分が多かった。これまでは日本住宅公団の建築棟数に数値がわかるだけで、その詳細は明らかになっていなかったといってよい。今回発見した史料は、具体的な社名を含めた建築に係る史料であり、より実態を明らかにできるものと考えている。現時点で分かっていることは、千葉県においてみられたような団地族がベットタウン形成に寄与したこととは違い、日本住宅公団が建設していった社宅の多くは職住接近型が多く、都市部から離れた地域の人口増に寄与したであろうことが確定的である、という点である。 史料量が多く、1日の作業量が限られているなかですべてを閲覧・撮影するにはかなり時間と労力がかかる。 これまで文書館に利用制限がかけられていたことから、研究推進上困難なことが多かったが、今後その改善が見込まれることから集中的な資料調査を行うことが可能であろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
いうまでもなくコロナ禍により、対面の聞き取り調査がしづらい状況である。居住地においても拒否されるなかで、700㎞移動して行う聞き取り調査は今までほとんど受け入れていただけなかった。今後改善されることが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年5月現在、コロナ禍は収束していないが、国民感情には変化が起こっているように期待している。これまでは文書館調査が中心であったが、今年は聞き取り調査を再開したいと考えている。
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Causes of Carryover |
交付決定からの2年間、全く聞き取り調査ができていない状況である。今後状況改善した際に集中的に行っていきたいと考えている。
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