2021 Fiscal Year Research-status Report
World sugar trade from 1850s to the present time. An analysis of the influence of the colonial past.
Project/Area Number |
20K01811
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
川分 圭子 京都府立大学, 文学部, 教授 (20259419)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | イギリス / 近代史 / 現代史 / 砂糖貿易 / 国際商品協定 / 自由貿易主義 / カリブ |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の成果は、11月3日京都大学読書会大会における報告「砂糖生産過剰の時代と(旧)英領西インド 1900 年代-2010 年代」である。 そのほか、昨年度に続き、この科研課題と以前の科研課題を縦断する内容で、一般書の出版の企画を進めており、出版社と正式に契約を交わした。この書籍については、編集者と執筆者を兼務している。2022年3月31日までに、予定の60章中、自己の原稿15章を書き上げたほか、共同執筆者の原稿31章を提出させ、査読を行い、修正などの依頼を行ってきた。この合計46章の原稿を土台に、2022年度内の出版を目指して編集を続け、ほかの研究者にも一部の原稿の依頼を行う予定となっている。なおこの書籍の編集のため、2021年度は共同執筆者との会議(4回)、出版社との打ち合わせ(メールにより随時)、共同編者との会議(4回)を行った。 今年度も、海外や一橋大学、東大、アジア経済研究所などでの資料調査を予定していたが、コロナ感染の広まりのため不可能であったため、立命館大学および国立民族学博物館に数回にわたって出張し(非常勤先、自家用車使用のため旅費は発生せず)、資料調査をおこなった。昨年度に続き、19世紀末以降の国際砂糖会議の進行や20世紀の国際砂糖協定、第2次世界大戦後のガット体制とそこにおける食糧貿易ルールの制定などについて参考文献を集めた。これら文献調査については、大学の通常の教育研究とも重なる部分が多いため、大学研究費で支出したものもある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
英領カリブ世界については日本社会では知られていないことが多いため、前回の科研と今回の科研の成果を一般書として出版し、日本社会に研究成果を還元したいと考えていた。2021年度の間に、出版社と企画を固め、自己の執筆を進め、また共同執筆者からもほとんどの原稿をあつめることができた。また、さらに専門的知見を集めるために、他の研究者に一部の原稿を依頼する計画も立てることができ、より良い形で出版できる見込みが高まっている。このように、一般社会向けの成果公表の企画が具体的に進捗したことから、2021年度はかなり順調に研究が進んだと言える状態にある。また、より専門的な研究内容として、学会報告を行っており、その意味でも、2021年度は順調に研究が進捗したと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度記述したように、コロナ感染の広まりのため、この科研では、海外資料調査に基づいた学術的に高度な成果よりも、先行研究や刊行史料をできる限り網羅的・良心的に収集・調査したうえで一般書を作成することを一つの大きな目的としている。2022年度は、その一般書の編集・執筆が最終段階に入るので、早期の出版に向けて原稿の修正や構成の調整、図版・写真などの選択・整理など編者としての作業と、1執筆者としての作業を進めていく。またその一方で、2021年度学会報告を土台に、さらに調査を進め、学術論文を執筆する。
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Causes of Carryover |
コロナ感染広まりのため、今年度も海外や国内での遠方の出張調査を実施できなかった。国内で出張した先は、近隣であり、自家用車や通勤定期の範囲で調査に赴いたため、旅費がまったくかからなかった。学会報告についても、オンラインだったため、旅費はかからなかった。文献収集も、JSTORなどを通しての電子媒体での取得(年会費以外は無料、年会費は大学研究費で支払い)や、他の研究・教育との共用になる文献の大学研究費での 購入などが中心となり、物品費もそれほど多くかからなかった。
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