2022 Fiscal Year Annual Research Report
Study on productivity improvement measures for short-term employment workers
Project/Area Number |
20K01818
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
董 彦文 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (90292458)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 短期雇用 / 適性 / 社会的比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度では作業者の性格特性,社会的比較志向性,モチベーションと作業効率の関連に関する共分散構造モデルを構築し,社会的比較がモチベーションおよび作業効率に影響を与える社会心理学メカリズムを解析した。今年度では,このモデルを活用して次の2つの側面から研究を進めた。 1. 社会的比較理論を用いた作業効率の向上方策の効果検証 下方比較の作業効率改善効果に着目して,先行研究の共分散構造モデルから作業者ごとの因子得点を求めたうえ,作業者のクラスタリングを行った結果から,(1) 約4割の作業者は外向性と遊戯性が高く,下方比較に対してポジティブな反応を示して作業効率を改善できた;(2) 3割近くの作業者は下方比較に対してネガティブ的で,作業効率の向上効果を得られなかった;(3) 約2割の作業者は下方比較には無反応なため下方比較はこれらの作業者の作業効率を上げるのに役立たない。これらの作業者は情動性,外向性と遊戯性の点数がともに低いため識別が容易である;などのことを明らかにした。 2. 作業者のストレス発生に関するメカニズムの解析 下方比較に対する作業者のストレス発生状況を調べるためにアンケートを設計・実施したうえ,作業者の感じ方と作業者の性格特性,社会的比較指向性などの潜在要因との相関を解析した。半数の作業者が下方比較にポジティブ的に反応し,モチベーションと作業効率を上げたと同時に,ストレスを感じなかったのに対して,2割の作業者がネガティブ的に反応しストレスを感じた。特に情動性得点の高い作業者はストレス・不安を感じやすくて,モチベーションと作業効率にマイナスな影響を与えたことが明らかになった。このため,製造現場で下方比較を実施する際,不快感を生じやすい作業者には特別に配慮を配って,作業効率への負の影響を最小限に抑えるようにすることが必要である。
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