2023 Fiscal Year Research-status Report
The Competitive Advantage of Multinationals from Emerging Markets
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20K01820
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
石 瑾 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (70403227)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 新興市場発多国籍企業(EM-MNEs) / 二重の国際化 / 標準化 / 適応化 / 戦略志向 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究成果をまとめたものとして、一本の学術論文と一本の国際会議論文を完成した。「新興国発多国籍企業の国際戦略」と題する論文は、『国際ビジネス研究』の第15巻第1号に掲載された。また、「Dual-internationalization strategies of emerging market E-tailer」と題する論文は、国際会議EMAC(European Marketing Academy) Annual Conference 2023で発表された。 この一連の研究は、新興国発多国籍企業の異質な国際化プロセス、いわゆる「二重の国際化」に焦点を当てて検証し、二重の国際プロセスにおいてはどのような戦略(標準化戦略それとも適応化戦略)が用いられるかを明らかにしたものである。具体的には、中国のアリババ・グループを代表事例として取り上げ、これまでのインタビュー調査を踏まえ、先進国と新興国市場における当該企業の国際戦略についてそれぞれ分析した。 その結果、以下のような結論が得られた。第一に、新興国発多国籍企業が二重の国際化を行う際、先進国においては、市場の異質性を考慮した適応化戦略を用いて対応するのに対し、母国と類似性の高い新興国市場においては、標準化戦略を駆使する傾向がある。第二に、新興国発多国籍企業は、市場類型に合わせて異なる戦略を採用するのは、先進国市場と新興国市場においてそれぞれ異なる戦略志向を持っているからである。具体的には、先進国市場においては、資源探索型の戦略志向が強く、また、新興市場においては、資源活用型の戦略志向が強い。このように、新興国発多国籍企業の二重の国際化における「二重」が、既存文献が指摘した「先進国市場」と「新興国市場」といった市場類型の二重だけではなく、「資源探索」と「資源活用」といった戦略志向の二重も意味しているのである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画したインタビューを遂行し、必要なデータを収集できたことや、論文や国際会議の発表を通して、研究成果を発信できことを踏まえ、概ね順調に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究は、主に新興国発多国籍企業の「国際化」に焦点を当てて行われてきた。当初の研究計画書に示される通り、もう一つの重要なテーマは新興国発多国籍企業の競争優位に関する「エコシステムの構築である。今後、以下の課題を焦点に当ててこれまでの研究を整理ていきたいと考えている。まず第一に、これらの企業が如何にしてエコシステムを構築したのか、次に、エコシステムのメカニズムとはなにか。そして最後に、これらの企業が如何にしてエコシステムを通して競争優位を獲得したのか。 また、翌年度はこの研究の最終年度となる。これまでの研究をよく整理し、論文や学会発表の形で研究成果をまとめ、積極的に情報発信していきたいと思っている。
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Causes of Carryover |
コロナ禍2020年から2022年までの間、当初予定していた海外出張が実施できなかったため、未使用の研究費が大幅に発生した。2023年になって出張が再開されたが、それまでの3年間にたまった費用を完全に使い切れなかったため、次の年度でも使用額が生じた。
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Research Products
(4 results)