2021 Fiscal Year Research-status Report

An exploration of mechanisms encouraging middle-aged employees to continuously engage in job crafting

Research Project

Project/Area Number	20K01824
Research Institution	Tokyo Metropolitan University
Principal Investigator	高尾義明東京都立大学, 経営学研究科, 教授 (90330951)
Project Period (FY)	2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords	ジョブ・クラフティング / プレシニア社員 / 仕事の意味 / ワーク・アイデンティティ / キャリア・ステージ / 組織行動
Outline of Annual Research Achievements	本研究は，「プレシニア期の従業員において、ジョブ・クラフティングとワーク・アイデンティティ及び仕事の意味の認識が相互的に影響し合うことが、ジョブ・クラフティングの継続的遂行、さらにはワーク・エンゲージメントの向上を可能にするメカニズムはどのようなものか？」というリサーチクエスチョンを，理論的・実証的に検討するものである。 2年目である令和3年度における研究実績は次の通りである。第一に、プレシニア期の後に待ち受けているシニア期（定年退職後）の労働者を対象とした実証研究を行い、学会発表を行った。シニア期の労働者がどのようにジョブ・クラフティングを行い、自らのワーク・アイデンティティ及び仕事の意味を構築しているのかも、ごくわずかの例外を除くと研究がなされていない。同研究を通じて、管理職経験者が、現役世代に対する関係的配慮といった関係性ジョブ・クラフティングをより行っているといった、プレシニア期の従業員にも適用可能な知見が得られた。第二に、仕事の境界を協同的に構成するジョブ・クラフティングに注目した研究を実施し、学会発表を行った。協同志向のジョブ・クラフティングが、仕事の認知（ワーク・アイデンティティや仕事の意味）を変える可能性が示唆されたことは、ポストオフ（役職定年）といったキャリアの節目においてとりわけ意味をもつと考えられる。なお、これまでの研究成果を踏まえて、研究成果の社会還元のために、ジョブ・クラフティングに関する啓蒙的書籍（『「ジョブ・クラフティング」で始めよう　働きがい改革・自分発！』日本生産性本部生産性労働情報センター）を出版した。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned. Reason 3年間計画の2年目として、研究全体としてはおおむね順調に進展している。順調に進展していると判断した理由は以下のとおりである。 (1)本研究の中心的な対象であるプレシニア期のうち、ポストオフ（役職定年）経験者を対象とした定量的調査を複数時点で実施し、データを収集できていること (2)プレシニア期の後にあたるシニア層に対する調査の分析をすでに終えるとともに、プレシニア期の前の時期である中堅期の従業員に対する介入的研究を行い、定量的及び定性的データを収集できていること。 (3)上記の調査結果の考察に寄与する理論的検討を前倒しで進められていること。
Strategy for Future Research Activity	令和4年度は　昨年度に取得できたプレシニア社員の定量的データを多角的に分析するとともに、すでに分析を終えたシニア期社員についての研究、データ取得済みの中堅社員の分析　との比較を検討する。さらに、1年目で実施した理論的な検討を参照しつつ、統合的な枠組みの提出を目指す。
Causes of Carryover	コロナ禍により、学会参加や調査のための出張がほとんどできなかったため。