2020 Fiscal Year Research-status Report
中小企業におけるストーリーテリングの実践と支援に関する研究
Project/Area Number |
20K01825
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
本多 哲夫 大阪市立大学, 大学院経営学研究科, 教授 (50336799)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ストーリーテリング / 中小企業 / アプライドドラマ / 演劇 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は中小企業のストーリーテリングの実例を調査し、中小企業におけるストーリーテリングの効果や実践上の課題、さらにその支援のあり方を探ることを目的としている。 本年度は新型コロナウィルスの影響から、対面でのインタビュー調査が大きく制限されたため、当初想定していたような調査を十分に進めることができなかったが、オンラインベースでの企業調査など、可能な範囲での調査を実施した。また、ストーリーテリングに関わる国内外の先行研究についてのレビューを進め、理論的枠組みの検討を進めた。この成果の中間的な発表として、日本経営学会関西部会において「中小企業におけるストーリーテリング」というタイトルで学会報告をおこなった。さらに、中小企業のストーリー化の実践として、申請者自らが中小企業をテーマとした演劇脚本を執筆し、大学の学生劇団の協力を得て、Webラジオドラマとして大学公式YouTubeチャンネルで配信をおこなった。 以上のような調査、分析、中間報告、申請者自らの実践によって、中小企業のストーリーテリングの実践と支援についての理論的考察を深める準備段階を整えることができたと考える。とくに、有効なストーリーテリングを実践している中小企業の事例調査・分析を通して、企業の実体験を物語化して語る(演じる)という、ある種の「演劇性」がストーリーテリングの効果を高めていることが示唆された。今後この点に注目して応用演劇(アプライドドラマ)などの観点も取り入れながら、ストーリーテリングの研究を進めていくことを計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の申請段階では予想できなかった新型コロナウィルスの流行によって、外出自粛や対面活動の自粛が要請されたため、当初予定していたインタビュー調査を十分に実施することができなかった。調査先の中小企業や自治体においても、新型コロナウィルスへの対応に追われている状況であったため、現地調査を控えざるをえなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もしばらくは新型コロナウィルスの影響で対面での調査が思うようにできないとみられるため、中小企業団体のオンラインミーティングなどに参加しつつ、中小企業のストーリーテリングの事例調査を進めていく予定である。また、理論的枠組みをさらに検討していくために、アプライドドラマという観点から研究を進めていく予定である。インプレッションマネジメントやセンスメイキングの概念に今後着目することも考えている。さらに、申請者自ら中小企業のストーリー化を実践する取り組みもさらに進めていくことを計画している。
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