2021 Fiscal Year Research-status Report
中小企業におけるストーリーテリングの実践と支援に関する研究
Project/Area Number |
20K01825
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
本多 哲夫 大阪市立大学, 大学院経営学研究科, 教授 (50336799)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ストーリーテリング / 中小企業 / アプライドドラマ / 演劇性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は中小企業のストーリーテリングの実例を調査し、中小企業におけるストーリーテリングの効果や実践上の課題、さらにその支援のあり方を探ることを目的としている。 本年度も昨年度に引き続き新型コロナウィルスの影響により対面でのインタビュー調査が制限されたことから、本研究申請時に想定していたような調査を十分に進めることができない状況にあったが、オンラインベースでのインタビュー調査など、可能な範囲での調査を実施した。また、昨年度に引き続き、「ストーリーテリング」や「ナラティブ」に関する国内外の先行研究のレビューを進めるとともに、昨年度の調査・分析過程でストーリーテリングにおける重要な要素と位置付けられた「演劇性」についての国内外の先行研究レビューも進めた。 また、中小企業のストーリー化の実践として、申請者自らが中小企業をテーマとした演劇脚本を執筆し、大学の学生劇団の協力を得て、大学会場にて8月に上演した。新型コロナウィルス感染防止のため人数制限を行ったため、当日の来場者数は80名程度であったが、当日は上演の模様をYouTubeでライブ配信し、アーカイブ視聴も可能としたため、視聴数は3月末時点で1,000名を超えるに至った。この活動は中小企業のストーリーテリングという本研究の実践的な取り組みであり、成果(アウトプット)の1つといえる。他方で、この活動は中小企業に関するストーリー化のプロセスを申請者自ら模索・探求するアクション・リサーチであり、その理論化に向けた調査(インプット)の活動としても位置付けており、今後、この体験から得られた知見を研究成果としてまとめていきたい。 なお、昨年度は中小企業のストーリーテリングをテーマとした学会報告を行ったが、今年度はそのときの議論やこれまでの調査分析を踏まえて、研究内容を学術論文にまとめて刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度も新型コロナウィルス第4波、5波、6波の到来により、外出自粛や対面活動の自粛が要請されたため、本研究の申請当初に予定していたインタビュー調査等の活動を十分に実施することができなかったが、オンラインでのインタビュー調査や文献調査に注力したことや、中小企業のストーリー化の実践的取り組みに重点を置いたことで研究としては一定の進捗がみられている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度と同様にインタビュー調査、文献レビュー、中小企業のストーリー化の実践的取り組みを進め、研究成果を論文にまとめる作業をおこなう予定である。その際に、これまでの調査分析を踏まえて、ストーリーテリングにアプライドドラマ(応用演劇)の理論的・実践的知見を取り入れることで、「演劇性」という視点から考察・整理・実践を進めていくことを計画している。
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