2020 Fiscal Year Research-status Report
大型産学共同研究におけるリーダーシッップに関する研究
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20K01826
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Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
西尾 好司 文教大学, 情報学部, 准教授 (50711602)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 産学共同研究 / プログラム / 組織間関係 / 信頼 / 研究支援人材(URA) / リーダーシップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、大学を主な活動拠点に、成果が実用化された大型産学共同研究の過程を追跡し、産学共同研究のリーダーの役割、成果の実用化のために求められる産学共同研究におけるリーダーシップを明らかにすることを目的として行っている。本年度の研究実績は次の通りである。 1.初年度の研究として最初に、産学連携による大型共同研究に関する先行研究の補完的な調査を行った。本研究は、大型の共同研究を対象とすることから、先行研究として、共同研究のプロジェクトレベルのマネジメントに加え、プログラムレベルでのマネジメントに関する論文に留意して、先行研究調査を実施した。 2.事例研究の対象大学の活動に関する先行研究や新聞・雑誌・インターネット等の記事の収集、基本的な情報を整理した後、情報産学連携の支援組織の関係者や大型共同研究のフォーメーションを行う関係者へのインタビューを行い、これまでの活動の経緯と現状、大型共同研究をリーダーがどのように牽引しているのか、リーダーの業務内容や大学研究支援者の活動を調査し分析した。 3.本研究関連の対外発表として、電子情報通信学会・ソフトウェアインタプライズモデリング研究会及び研究・イノベーション学会年次学術大会にて報告・発表した。前者は、大学に企業の共同研究拠点を設置する大阪大学のプログラムを事例として、大型の共同研究が持続する要因として「信頼」に着目して、長期的に大型の共同研究が機能する要因を探った。後者は大型産学共同研究を支援する人材に注目して、共同研究の立上げ、開始後の日常的な業務や産学間のブリッジ機能、共同研究終了後の知的財産の取り扱いなど、研究支援人材の産学共同研究における多様な役割の実態を報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行研究調査や対象事例の公知の情報収集については予定通り実施できたが、事例関係者へのインタビューについては、対面式のインタビューが実施できず、オンラインによるインタビューの実施に変更したため、現場レベルの情報の収集が必ずしも十分にできたとはいえない。これについては、仮に今後、対面式のインタビューが十分にできなくても、オンラインによるインタビューの結果についてインタビュー対象者への確認・フィードバックを多くすることで、対応できるように進める。
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Strategy for Future Research Activity |
対象事例において、大型共同研究をリーダーがどのように牽引してきたのか、リーダーの業務内容や大学研究支援者の活動に関するインタビューを引き続き実施する。 2年目の研究として、産学共同研究事例におけるリーダーシップの特性について、ビジョン、チーム内の心理的安全性の構築、チームの共有意識の醸成など、リーダーシップの特性が、どのような事象でどのように発揮されたか調査に着手し、重要なリーダーシップの要件、リーダーシップの変容やチーム内での役割分担を探る。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響で、事例研究のための現地調査が実施できなかったため、次年度使用額が発生した。今年度は、可能な限り現地調査を行う予定であるが、オンラインによるインタビューにも対応し、その実施回数を増やし、インタビューの記録を詳細に作成することにより、研究の充実を図る。
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Research Products
(3 results)