2022 Fiscal Year Research-status Report
大型産学共同研究におけるリーダーシッップに関する研究
Project/Area Number |
20K01826
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Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
西尾 好司 文教大学, 情報学部, 准教授 (50711602)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 産学共同研究 / リーダーシップ / プロジェクトマネジメント / プログラムマネジメント / 研究支援人材(URA) / 制度的企業家 / 制度的実践 / 組織間関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、大型産学共同研究のマネジメントにおいて重要な要素であるリーダーシップを対象とし、実用化された成果を生んだ大型の産学共同研究を対象事例として、研究開発から実用化までの複数の産学共同研究を長期的に追跡し、研究成果の実用化・実装までのリーダーの役割、リーダーシップの特性を探る。今年度も過去二年と同様に、大型産学共同研究のマネジメントについて大学関係者(リーダーや大学の支援者など)に対するインタビューや文献調査による事例研究を進めた。 先ず、教員をリーダーとする事例については、大型共同研究をリーダーがどのように牽引してきたのかについて、複数の大型共同研究を時系列でつなげていくこと、限られた人材の中でのテーマ設定、リーダーシップの特性の変容、大学の研究成果を実装につなげるために求められる要件などを調査した。 その他に、大学に企業が出資して設置した共同研究拠点を運営しながら、共同研究を牽引する企業のリーダーの事例では、この共同研究拠点は大学が創設したプログラムにより設置されたものであり、この新しい拠点の設置に関する大学のプログラムの制度化における企業側のリーダーの役割を新制度組織論の観点から分析を進めた。 研究成果としては、当初の予定では2022年度が最終年度であったので、本研究の最初の二年の成果など、これまでの産学共同研究の事例研究をベースとした大型産学共同研究のマネジメントに関する論文を執筆し公開された(共著、査読有)。この論文では、大型共同研究のマネジメントやそのリーダーの役割として、プロジェクトレベルではなくプログラムレベルでのマネジメントの導入やリーダーの属人的なマネジメントからの脱却の重要性などを指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象事例の中で、当初の計画で対象とした大型産学共同研究だけでなく、当該リーダーのそれ以前の研究活動が、産学共同研究のテーマ設定に関する問題意識の形成やマネジメントの進め方に影響を与えていることが2022年度の研究で判明したため、リーダーの特性を深く理解するために、追加の研究として、最初に実施した産学共同研究まで遡り調査をすることにした。これとは別に、現在投稿中の論文に関して、追加の調査が必要となった。以上から終了を一年延長することにした。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は最終年度として、大型産学共同研究のマネジメントにおける、大学または企業のリーダーの役割、チームの共有意識の醸成、実用化や実装に向けた全体像の共有などのリーダーシップの特性などを分析し、産学共同研究のマネジメントのあり方やリーダーシップの要件について考察を深め、結論につなげていく。
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Causes of Carryover |
2022年度に海外出張を予定していたが、コロナ禍の影響と追加の研究が必要になったため、海外出張を中止にし、終了期間も一年延長した。2022年度に発生した使用額については、2023年度は海外調査は実施せず、国内の事例調査のための出張旅費や論文投稿に関する翻訳関連費として使用し、研究を充実させるようにする。
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Research Products
(1 results)