2023 Fiscal Year Annual Research Report
Workplace contextual factors affecting employees help-seeking: A perspective from psychology of working theory
| Project/Area Number |
20K01829
|
|---|
| Research Institution | Juntendo University |
|---|
Principal Investigator |
道谷 里英 順天堂大学, 国際教養学部, 先任准教授 (00566028)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
| Keywords | 援助要請 / 若年就業者 / 職場の尊厳 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、職場における援助要請に影響を与える職場環境要因として「職場における尊厳」に注目して質問紙調査を実施した。昨年度実施した、若年就業者の自律的な援助要請に至るプロセスの検討結果もとに、職場における援助要請行動と援助要請の予期に関する心理尺度を作成し、その信頼性と妥当性の検討も合わせて検討を行った。その結果、「自律的要請」「積極的要請」「依存的要請」「要請回避」の4下位尺度からなる職場における援助要請行動尺度が作成された。さらに、「ポジティブな結果」「評価への懸念」「成長への焦り」「相手への迷惑」「否定的応答」の5下位尺度からなる職場における援助要請の予期尺度が作成された。
各援助要請行動の下位尺度を従属変数とし、職場の尊厳尺度（Thomas & Lucas, 2019）と援助要請の予期を独立変数とした階層的重回帰分析を実施したところ、援助要請行動別に異なる影響を確認することができた。現在、本研究成果を2024年度の学会にて発表し、論文として投稿する準備を進めている。
研究期間全体を通して、若年就業者の職場における援助要請行動を同定し、それらに影響を与える職場内の環境要因や基本的心理欲求との関係が検討された。特に、職場における援助要請に影響する職場の要因として「職場の尊厳」の影響が見出されたことは、援助要請を行うことができる環境を十分に整える重要性を示している。本研究の成果については、2024年度中にキャリア支援の専門職であるキャリアコンサルタント向けのセミナーを通して発信予定である。
|
