2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K01830
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
国枝 智樹 上智大学, 文学部, 准教授 (90733923)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊吹 勇亮 京都産業大学, 経営学部, 准教授 (60410255)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 危機管理広報 / 信頼構築 / 広報理論 / 在日米軍 / 迷惑施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は新型コロナウイルスのさらなる感染拡大に伴い、予定していた沖縄やアメリカでの現地調査、インタビュー調査、学会発表を行うことができなかったが、論文の執筆と文献調査を進めることができた。 2020年度に行った危機管理広報理論に関する諸外国の研究の整理・分析の結果は「危機管理広報の学術理論とその体系」というタイトルで日本広報学会の学会誌『広報研究』に論文として投稿、2021年度に入ってから掲載された(第25号、74-86頁)。 2021年度は理論的整理の知見に基づき、第3の計画である「在日米軍における事件・事故発生時の広報対応について事例調査を通して明らかにする」ための報道分析を通した事例の選別と試験的な分析を行い、その結果を成果は2022年3月にアメリカで開催された国際大会(International Public Relations Research Conference)で報告予定だった。アブストラクトの審査は通り、発表に向けて準備をしていたが、2020年はオンラインで開催された大会が2021年は対面開催となった一方、新型コロナウイルス感染の再拡大に伴い渡米が困難となった結果、発表を辞退した。同研究は今後も発表の機会を模索する予定である。 並行して、米軍における広報人材の育成の歴史に関する資料の収集、現在米軍で使用されている広報関連ガイドラインの収集、迷惑施設(NIMBY)に関する先行研究の収集などを進めることもできた。これらは今後、学会発表や論文投稿に活かしていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、沖縄やアメリカ訪問を前提とした、本研究の核となる調査を行なうことができず、研究は遅れている。感染の拡大や事態の長期化は2019年に研究を企画した当初、予期できなかった事態であり、渡航を伴わない調査を優先して行った。 渡航の制約がある中、2021年度はインタビュー対象者とのオンライン面談や事例分析、文献調査などを行った。 第2の計画「在日米軍の広報体制の特殊性を在米米軍との比較において明らかにする」は日米の米軍広報担当者を訪問しインタビューをすることが前提となるが、沖縄、米国ともに渡航が困難であったことから、沖縄の担当者とはオンラインで面談を行った。問題意識の共有や資料の提供をしていただくことができたため、それに基づき文献調査を継続した。 2021年度は理論的整理の知見に基づき、第3の計画である「在日米軍における事件・事故発生時の広報対応について事例調査を通して明らかにする」ための報道分析を通した事例の選別と試験的な分析を行った。試験的分析の成果は2022年3月にアメリカで開催された国際研究発表大会(International Public Relations Research Conference)で報告予定だったが、大会が対面開催となった一方で新型コロナウイルス感染の再拡大に伴い渡米が困難となった結果、発表を断念した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度は感染状況が徐々に収束し、渡航規制も緩和されると予想されることから、延期されていた調査を行なうことで遅れを取り戻す予定である。 第1の計画である在日米軍の広報体制と第2の計画である在日米軍の広報体制の特殊性については文献調査の結果を整理し、年度内に予定している沖縄とアメリカでのインタビュー調査の知見と合わせて分析を行なう。研究の理論的基盤の一つである迷惑施設に関する先行研究調査等の成果も発表を予定している。 第3の計画である危機管理広報の事例調査については、2021年度にアメリカでの発表が叶わなかった調査の結果を更に精査し、改めて研究発表大会での発表の機会を模索する。 なお、感染状況が再び悪化するなど、渡航が困難になった場合、研究期間の延長も検討したい。
|
Causes of Carryover |
2021年度は新型コロナウイルスの影響で沖縄やアメリカでのインタビュー調査が実施できなかったことに伴い、次年度使用額が生じた。次年度使用額は2021年度にインタビュー調査を実施するために使用することを予定している。
|