2020 Fiscal Year Research-status Report
日本企業おける技術の組織的な獲得・活用パターンの探求:人的資源に着目した事例研究
Project/Area Number |
20K01835
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
兒玉 公一郎 明星大学, 経営学部, 准教授 (70610343)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 技術の組織的獲得 / イノベーション / 変革と安定 / 技術蓄積 / 外部資源の内部化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の基底にある問題意識は,ラディカルな技術変化によってもたらされる不安定な環境に柔軟に適応できるような組織能力が,いかに獲得され,活用されるかというものである。 令和2年度の活動は,もともとの調査対象となっている富士フイルムおよびTDKの2社についての2次情報の収集に費やされた。ただし,当初の計画では,関係者へのインタビューも実施する予定であったが,新型コロナウィルスによる移動上の制約により,調査活動に大きく支障が生じている状態である。やむを得ず,関係する2次資料の収集に専念を余儀なくされた。 そうした制約下で,当該企業の社史などの公開資料の複写などの,資料収集の作業を優先して実施することにした。併せて,調査対象として追加する企業の候補も浮上し,それらに関する予備調査も進めているところである。2次資料の収集活動は現在も進行中であるが,ここで収集した資料の整理・分析の作業を実施しながら,今後の調査活動の方向性を見極めていく予定である。現時点では,これらの情報をベースにして,実務家向けのビジネス・ケースとしてまとめる予定である。ただし,繰り返しになるが,今後の調査活動の方後世については新型コロナの状況にかなり依存している。 なお,本研究課題のベースとなった研究成果(研究書)が,2020年度中小企業研究奨励賞本賞および2021年度組織学会高宮賞(書籍部門)を受賞することになり,今後,本研究課題を推進する上でも弾みがつくと期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナによる移動上の制約があるため,現地調査ができずにいるものの,まずは資料を中心とした調査を優先的に実施することで,進捗を維持するよう努めている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナの収束状況に相当依存することになるが,前年度に引き続いて資料収集を継続しつつ,並行しながら関係者に対するインタビュー調査に取り組む予定である。 インタビューの可否にもよるものの,研究成果の発表も見据えて調査を進めていく所存である。
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Causes of Carryover |
当初、研究計画に沿って、2021年1~3月にかけて、調査対象企業の技術に関する調査の一環として地方への出張を予定していたものの、新型コロナウィルスに伴う緊急事態宣言等のそちにより外出自粛を余儀なくされた。そのため、予定していた出張を取りやめる必要に迫られて、そのための予算が未使用となった。 ただし、この出張については、新型コロナウィルスの収束状況を見計らいながら、なるべく臨機応変に実施したいと考えている。
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