2021 Fiscal Year Research-status Report
老舗企業の伝統継承における組織文化と長期存続に関するフィールド研究
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20K01846
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
加藤 敬太 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (10581861)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 経営学 / 経営組織論 / 経営戦略論 / 老舗企業 / 組織文化 / 組織美学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、老舗企業の伝統継承における組織文化論的側面に注目し、長期存続のメカニズムや方法、仕組みを明らかにすることである。本研究の特長は、組織文化研究に依拠することにある。数百年の歴史を有する老舗企業における伝統継承に際して、独自の組織文化を創造し、それを長期にわたって存続させるために有効性を発揮している仕組みに関してフィールド調査を通じて考察していく。さらに、一般に、企業組織の長期存続に関する理論的・実践的貢献を提示することも目的である。 研究の過程で組織文化研究の発展としての組織美学の研究に着手している。組織美学はヨーロッパの組織研究の最先端分野の1つである。国内では私を含めて数名しか着手していない分野であり、本研究の独創性を発揮するものと考えている。 現在までのところ、老舗のフィールド調査として愛知県岡崎市の八丁味噌メーカーをめぐるフィールドワーク、新潟県燕市の伝統工芸である「鎚起銅器」の老舗・玉川堂の調査を実施した。また組織美学の先進事例調査として電鉄大手の阪急電鉄、企業ドメインをアーティファクトメディアとして成長をを遂行している北海道テレビ放送、地域密着のスポーツコミュニティを実践する北海道日本ハムファイターズの調査を行った。これらの事例は週刊エコノミストに連載された。 また組織美学研究に関しては、組織学会の組織論レビューにも選抜され、全国大会で報告し、トランザクションズとして論文を公刊した。 引き続き、フィールドワークならびに研究レビューを遂行し、論文や書籍の形で公刊できるように研究を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究はおおむね順調に進展している。フィールド調査に時間を要するため、来年度も継続して調査を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、フィールド調査を実施し、また理論レビューを深めて書籍への公刊を目指す。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響で、フィールド調査の回数が少なかった。次年度は、感染状況をみながら、調査の継続をする予定である。
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