2020 Fiscal Year Research-status Report
DEAを用いた整備新幹線開業による地域経済活性化とJR旅客各社の経営効率化の評価
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20K01847
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
杉山 学 群馬大学, 社会情報学部, 教授 (40256665)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | DEA(データ包絡分析法) / ノンパラメトリック検定 / 整備新幹線開業による地域経済活性化 / JR旅客各社の経営効率化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「DEAを用いた整備新幹線開業による地域経済活性化とJR旅客各社の経営効率化の評価」であり,本研究の初年度,2020(令和2)年度は本研究で実施する分析のための基礎的な準備を中心に行った。その内容は次に示す通りである。まず第1点目として,各種データの収集と整理を公開情報から収集し,整理を行った。JR旅客各社のデータは「鉄道統計年報」より収集できた。しかし,地域経済の活性化を評価するためのデータは,「e-Stat 政府統計の総合窓口」などにおいてある程度収集が可能であったが,より詳しいデータに関しては,(独)統計センター提供の「公的統計のミクロデータ」などを利用しないと難しいであろうことが判明した。そこで本学内設置の「オンサイト施設」の利用を試みたが,新型コロナ感染拡大のため閉鎖中の期間にあたってしまい利用できなかった。そのため,分析のためのデータベースは,整備途中である。 第2点目として,地域経済の活性化を評価するための評価の枠組み設定に関する試行については,新たな視点として「地域経済の活性化は若者の地元地域への定着が必須」であると考え,特に大学進学時に地元県内の国立大学への進学が重要であるので,各国立大学のアドミッションセンター設置や活動などの調査分析を行った。この新たな視点も含め,評価の枠組み設定については,今後も継続検討することとした。 第3点目として,DEAとInverted DEAを統合した新たなDEAのパイロットモデルの作成と試行については,実用面や既存モデルとの関係から,様々な問題点が判明した。これらに関する解決策を見出すため,他の研究者からアドバイスを得る計画であったが,新型コロナ感染拡大によるスケジュール混乱のため,相手側との調整が付かず,実現できなかった。そこで,次年度以降に実施することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1点目として,地域経済の活性化を評価するためのデータについて,「e-Stat 政府統計の総合窓口」などにおいてある程度収集が可能であったが,より詳しいデータに関して入手できなかった。そのために,各種データをデータベース化する作業が進まず,整備途中となった。 2点目として,本研究の目的である,整備新幹線の開業が地域経済の活性化とJR旅客各社の鉄道事業の経営効率化にどのような効果があったのか否かの定量的な結果を導くため,DEAとインバーテドDEA (Inverted DEA)を統合した新たなDEAのパイロットモデルの開発に関して,新型コロナ感染拡大によるスケジュール混乱のため,他の研究者からアドバイスを当該年度中に得られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021(令和3)年度は,新しい分析モデルの開発を中心に行い,前年度で残された課題を行う。本研究の分析に対応したDEAとインバーテドDEA (Inverted DEA)を統合した新たなDEAモデルの本格的な開発を行う。なお,新型コロナ感染拡大が収束すれば,米国ニューメキシコ工科大学などでの在外研究で,他の研究者からアドバイスを得る計画である。そして,新しいDEAモデルを国内の学会などで発表し,論文にまとめる計画である。加えて,この新しいDEAモデルの計算を効率的に実行するため,数値計算ソフトを導入・整備する計画である。 また前年度,地域経済の活性化を評価するための入手できなかったデータを入手し,データベース化作業を進める。これに伴い,地域経済の活性化を評価するための評価の枠組み設定を本格的に検討する。なお新型コロナの感染状況を考慮し,シンガポールでの高速鉄道計画の状況調査は再検討する。 2022(令和4)年度は,整備新幹線の開業路線と海外高速鉄道計画の状況調査を中心に行う。本研究における本格的な分析・評価を実行する前に,米国の高速鉄道計画の状況調査を行う計画である。この状況調査に合わせ,DEAモデルの最先端研究が行われている米国ニューメキシコ工科大学などの研究者から直接本研究のアドバイスを得る計画である。そして,新しいDEAモデルの国際的なオープンアクセス誌等への論文投稿を行う計画である。 2023(令和5)年度は,本格的な分析と評価結果の発表を中心に行う。前年度までの研究結果を踏まえ本格的に,整備新幹線の開業が地域経済の活性化とJR旅客各社の鉄道事業の経営効率化にどのような効果があったのか否かの定量的な結果を導く計画である。その研究成果を整理し,国内外での学会発表と国際的なオープンアクセス誌等への論文投稿を行う計画である。
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Causes of Carryover |
次年度である2021(令和3)年度において,本研究の目的である,整備新幹線の開業が地域経済の活性化とJR旅客各社の鉄道事業の経営効率化にどのような効果があったのか否かの定量的な結果を導くために,本年度(2020(令和2)年度)作成したDEAのパイロットモデルに関して,実施できなかった他の研究者からのアドバイスを得る予定である。なお,新型コロナ感染拡大が収束すれば,米国ニューメキシコ工科大学などでの在外研究で,他の研究者からアドバイスを得る計画である。そして,次年度(2021(令和3)年度)新規開発予定のDEAモデルを,国内の学会などで発表する予定である。これらを実施するための経費として旅費を含めた出費を計画している。 また本年度(2020(令和2)年度),地域経済の活性化を評価するための入手できなかったデータを入手するための経費として,出費を計画している。さらに,新しいDEAモデルの計算を効率的に実行するための数値計算ソフトを導入・整備するために物品費として,出費を計画している。
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