2022 Fiscal Year Research-status Report
日本の都市型スタートアップ企業の立地戦略に関する大規模データ分析による解明
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20K01864
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
入山 章栄 早稲田大学, 商学学術院(経営管理研究科), 教授 (00721820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 拡和 大分大学, 経済学部, 准教授 (10814220)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アントレプレナーシップ / スタートアップ / 集積 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は企業の集積効果に関する広範な文献サーベイ、スタートアップ企業の立地要因に関する統計分析の2つに注力した。
まず、本年はスタートアップ企業の文脈に限定せず、経済地理学など範囲を広げて集積効果に関する先行研究を渉猟した。その結果、最近の先行研究において集積効果が微細な地理的スケールでしか継続しない、あるいは同じ建物の中でも集積効果が生じうること等が示されており、本研究課題の構想と両立する研究が近年増加していることを確認した。同時に、それらの微細な地理的スケールの集積効果に着目する研究の中でも、スタートアップ企業の新規設立や立地選択にそれらの集積効果が及ぼす影響は十分に明らかにされていないこと、また企業間競争など企業の集積によって生じる負の効果に着目した研究は乏しいことも明らかになった。以上より、本研究が当該領域において果たしうる貢献を一層明確にすることができた。
次に、前年度に引き続きスタートアップ企業の立地要因に関する統計分析を行った。前年度に作成したデータセットにベンチャー・キャピタルやアクセラレータ・プログラムを運営している企業、大学等の立地情報を付加し、データセットの拡充に努めた。その上で、スタートアップ企業の設立場所や立地戦略の決定要因について更なる統計分析を行った。昨年度の分析を精緻化した結果を纏めたプロポーザルを当該領域の主要な国際学会であるStrategic Management Society(SMS)の年次大会に投稿した。本プロポーザルは採択され、令和5年度に報告予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献サーベイを通じて本研究の位置づけを一層明確にすることができ、また実証分析において概ね研究開始時に想定した結果が得られている。また、これまでの研究成果を纏めたプロポーザルも主要な国際学会に採択された。以上より本プロジェクトは概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本プロジェクトの最終年度となる令和5年度においては、これまでの研究成果を論文にまとめ、海外の主要学術誌への投稿したい。
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Causes of Carryover |
想定よりも安価でデータを購入することができたとともに、研究代表者と分担者がオンラインでミーティングを行うことで旅費が節約されたために次年度使用額が生じた。これらは海外の主要学術誌に論文を投稿する際の英文校正費用に充てる予定である。
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