2021 Fiscal Year Research-status Report
An Empirical Study on the Evolving Factors of "Royalty Free IP" and the Strategic Implications
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20K01866
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
梶浦 雅己 愛知学院大学, 商学部, 教授 (60329597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 康郎 兵庫県立大学, 社会科学研究科, 教授 (90303205)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 国際標準 / 知財 / IPRポリシー / 国際ビジネス / 競争戦略 / 業際化 / トヨタ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまでのように国境を越えた事業活動のみならず、業界を越えた事業活動も進められる状況を、国際化と業際化の同時進行(同期化)と捉え、先端技術の開発にこうした現象が進められているものと考えている。そして、この現象下において多くの分野で確認されるのが「知財の無償化」であるとしている。 昨年は、一昨年同様に新型コロナの影響があるため、予定していた視察などの出張を控えざるを得ない状況だった。そのため、自動運転を試行する自動車業界の業際化の動向を調査することにした。トヨタ自動車を調査の対象とし、同社において近年確認される知財の無償化の背景にある国際化と業際化の同期化の動向を調査した。具体的には、同社の過去50年間(1970年1月1日~2019年12月31日)においてみられた他社との提携戦略を整理し、事業の業際化と知財の無償化の関係についてあらたな知見を得ることを目指すこととした。 調査の結果から見えてきたことは、2010年以降に明らかに同社の戦略が変化してきていることである。近年の同社は、海外の異業種企業との提携関係構築を積極的に展開している。それが意味することは、同社の国事業活動の業際化への動きといった戦略行動の変化である。国際化と同時に業際化の活動が進められており、既存の国際ビジネス研究領域ではまだ解明されていない領域を見出すことができた。その内容については、研究分担者の執筆のもと、兵庫県立大学のディスカッションペーパーにまとめてある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
上記の通り、昨年度はこれまでの遅れを取り戻すべく、予定していた約70の技術開発コンソーシアムに向けた調査をする予定を組んでおり、その半数ほどの機関には直接出向きヒアリングを行えればと考えていたが、訪問する機会をつくることさえ難しい状況が続き、計画を大幅に見直すなどして対応している。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度は公開されている情報をもとに資料を集め、そのデータを整理した。今年度においては、それらデータを活用し、学会での発表(多国籍企業学会2022年6月、報告予定)、および学会誌への投稿を予定している。
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Causes of Carryover |
当該年度の研究計画は、技術開発コンソーシアムへのヒアリング調査を予定しており、そのための予算を計上していたが、covid-19の影響により予定通り進められなくなっている。そのため、今年度の計画にその予定を組み込むため、次年度使用額が生じている。
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