2021 Fiscal Year Research-status Report
経営環境のパラダイムシフトを迎える薬局経営の包括的・探索的研究
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20K01869
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
三島 重顕 大阪経済大学, 経営学部, 教授 (60454930)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 地域薬局 / 薬局薬剤師 / 専門能力の発揮機会 / 職務満足 |
Outline of Annual Research Achievements |
COVID-19の影響を受け、予定していた日英両国での定性調査は実施できなかった。同様の理由から、米国で予定していたAmazon傘下の薬局の調査も適わなかった。しかし、過去に収集した定性研究の一次データを用いつつ、学術論文を執筆・修正してインターナショナル・ジャーナルに投稿し、受理された(Accepted 08 Jan 2022)。論文名は「Opportunities to demonstrate expertise and job satisfaction of community pharmacists in Japan and England」で、International Journal of Healthcare Management(Impact factor:2.19(2022年現在))に公刊された(現在はオープンアクセスとなっており、世界中の研究者が閲覧可能である)。米国などの他国と比較して相対的に日本と英国の保険制度や薬局(薬剤師)に関する政策の方向性は概ね類似しているが、政策の実現状況に関しては、英国は日本よりもかなり先行している。本論文は、日英の薬局薬剤師に実施した「専門能力の発揮機会」と「職務満足」に関する定性調査の結果を比較考察し、①日英の薬剤師が職務満足・不満足を感じるオペレーションの相違点と類似点を明確にしたこと、②日本の薬局政策に関する提言を行ったこと、③世界の地域薬局の政策に関して政策提言を行った点に意義がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19のパンデミックを受けて、予定してた日英の薬局薬剤師への定性調査を実施することが出来なかった。同じ理由から、米国のPillPack(Amazonが買収したオンライン薬局)の調査も実施することが出来なかった。 とはいえ、日英の薬局薬剤師の論文をインターナショナル・ジャーナルに載せることが出来た点を鑑みれば、「やや遅れている」が妥当であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
オミクロン株の毒性が弱まっており、英国でも入国時の制限が完全に撤廃されたため、今年度の夏季休暇中に訪英し、部分的でも良いので予定していた定性調査を実施したいと考えている。また、日本でも各地に出張し、予定していた定性調査を実施したい。今後も既存の研究を発展させる仕方で、日英の薬局薬剤師の職務満足等に関する比較研究を継続していく予定である。加えて、訪米してPillPackの調査も実施したいと考えている。ただし、すべてはCOVID-19のパンデミックの状況に寄るため、実際に現地で調査を実施できるかは不明瞭である。
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Causes of Carryover |
COVID-19のパンデミックの影響を受け、予定していた英国と米国での調査が出来なかったため、計画通りに予算を執行することが出来なかった。今年度もパンデミックの状況に左右されるものの、可能であれば、昨年度に予定していた英国と米国での調査を実施したい。
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