2020 Fiscal Year Research-status Report
Theoretical and Empirical Research on Valuation Practice in Performance Appraisal: From the Perspective of Valuation Studies
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20K01898
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
矢寺 顕行 大阪産業大学, 経営学部, 准教授 (20582521)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 人事評価 / 価値評価研究 / 価値づけ / HRテクノロジー / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、人事評価における数値化及び測定が組織の実践としていかにして行われているのかを、価値評価研究の視点から明らかにすることである。特に、人材の評価の「実践」を捉える分析視角として価値評価研究に依拠し、人事評価における数値化と測定の実践に関して、評価・数値化の基準が組織においていかに決定されるのか、数値化・測定がどのように実行されるのかの2つの研究課題を明らかにするものである。 当該年度(2020年度)は、これまでに継続して検討してきた価値評価研究と人事評価に関する研究のレビュー、および経験的研究としてフィールドワークを行う計画であった。 前者の研究レビューについては、価値評価の実践のプロセスに関する分析枠組みを提示し、これを採用時の評価を対象に検討した論文を提出した(矢寺・服部, 2020)。これは、価値づけの対象となる人材の特性が、人材のカテゴリー化、分類、測定による特異化を通じて、変化していくプロセスを記述したものである。この論文は、採用時の評価が対象であったが、カテゴリー化、分類、特異化というプロセスが、人事評価を対象とした場合の測定・数量化にも応用できる可能性があることが明らかになった。この点は、次年度以降の研究の具体的な作業課題につながるものとして、研究遂行上の意義があったと考えられる。 ただし、人事評価に関する先行研究のレビューが完了していないことと、予定していたフィールドワークが実施されておらず、これらを早急に行うとともに、価値評価研究の検討も続けて行う必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当該年度中の計画として、大きく研究レビューとパイロット調査としてのフィールドワークの2つを行う予定であったが、前者については、価値評価研究のレビューは進められたものの、人事評価に関する研究については十分とは言えず、また、後者のフィールドワークについては、新型コロナウイルス感染症の影響により、実施が困難であった。よって、進捗状況としては、「遅れている」と評価せざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度内に完了しているレビューを梃子に、価値評価研究のレビューについては更なる検討を加えてる。同時に、人事評価 に関する研究についてもレビューを進め、人事評価の数量化・測定を捉える価値評価研究からの分析視角を用意することが、今後の研究の作業課題である。経験的研究についても、フィールドワークの調査対象企業の探索を進めなければならないが、状況によっては2020年度と同様に困難となる場合もありうる。したがって、これに代替する手段として、人事評価、特に HRテクノロジー関連の雑誌記事をはじめとするアーカイバルデータの分析や、アンケート調査などを探り、多角的にアプローチしていく方法を検討する。 当初の計画では、2021年度は2020年度の成果を踏まえ、構築された分析枠組みに基づく経験的調査の遂行と論文執筆であったが、当該年度の研究進捗の遅れを取り戻しつつ、経験的研究における調査方法の再検討を行うことで、研究を滞りなく進めていきたい。
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Causes of Carryover |
学会がオンラインとなったこと、また、フィールドワークが実行できなかったことによる旅費の執行がなかったことにより、次年度使用額が生じた。学会の開催は今年度もオンライン開催が予想されるが、フィールドワークについては、引き続き調査先企業の探索を行うことで使用していく。また、物品については、当該年度に引き続き、研究レビューに必要な文献の購入に充てる。
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