2020 Fiscal Year Research-status Report
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20K01900
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
松山 一紀 同志社大学, 社会学部, 教授 (80351691)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 競争戦略 / フォロワーシップ理論 / 受動的忠実型フォロワーシップ / 能動的忠実型フォロワーシップ / プロアクティブ型フォロワーシップ / 防衛型 / 探索型 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度については、大体計画通りの進捗だといえる。競争戦略論についての文献および先行研究のレビュー、そして企業勤務者200名を対象とした、競争戦略に関する量的調査の結果、戦略タイプを3つに特定化することに成功した。すなわち、競争戦略を経営者によるフォロワーシップ行動と再解釈し、それぞれの戦略を受動的忠実型、能動的忠実型、プロアクティブ型という3つのタイプに分類したのである。さらに、プロアクティブ型については、マイルズとスノウの研究を参考に、防衛型および探索型という下位戦略に分類することにした。 ここで受動的忠実型の組織は、組織内外からの顕在的な刺激に対して、十分かつ適切な反応を生じさせることができる。例えば、市場環境からの要請には忠実に対応することができるということである。次に、プロアクティブ型の組織は、環境からの顕在的要請に従うだけでなく、場合によってはそれを抑制・制御し、代わりに潜在的な要請を読み取り、先回りすることができる。ここでいう、環境が組織の外部に位置している場合は、探索型となる一方で、内部に位置している場合は、防衛型となる。量的差別化を他社に先駆けて実現しようとするとき、組織内部の効率性を技術革新などによって図ろうとする場合、このタイプの組織は防衛型と言える。最後に能動的忠実型組織は受動的忠実型とプロアクティブ型の中間に位置していると考える。 この成果の一部は、関西生産性本部が発行する『新時代の高生産性経営』の一つの章として公表されることになっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標である、競争戦略タイプの特定化に成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降も、当初の計画通り推進していく予定である。すなわち、人的資源管理施策を特定化、操作化するために、先行研究をレビューし、専門家等にヒアリングを実施していく。可能であれば、本年度と同様に量的調査も考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大に伴い、東京等への出張ができなかったこと、合わせて、専門家へのヒアリングが計画ほどはできなかったこと、さらに、アルバイトを雇用することができなかったことが上げられる。次年度は、引き続き、出張は難しいと思われるものの、在宅勤務の許可を得てアルバイトを雇用するなど、工夫して執行していきたい。
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