2022 Fiscal Year Research-status Report
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20K01900
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
松山 一紀 同志社大学, 社会学部, 教授 (80351691)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 組織行動 / フォロワーシップ行動 / 心理的安全性 |
Outline of Annual Research Achievements |
3年目である本年度は、組織行動を操作化するための取り組みを行った。具体的には、まずはフォロワーシップ行動を組織行動として捉え、松山(2018)で概念化されたフォロワーシップ行動の妥当性を確認するために、専門家の意見を聞くことにした。専門家から知識提供を受けるために、フォロワーシップ研究会を組織したのである。研究会は、民間企業、コンサルティング・ファーム、中学校に勤務する、フォロワーシップに興味関心を有する知識人によって形成された。これら知識人と議論した結果、松山のフォロワーシップ行動概念や、その測定尺度の信頼性および妥当性が確認された。なかでも、組織にとって有効なフォロワーシップ行動を、3タイプに特定化することの妥当性が得られることになった。3つのタイプとは、受動的忠実型、能動的忠実型、そして統合型と命名されたフォロワーシップ行動を指している。 次にフォロワーシップ行動の妥当性を確認するために定量的調査を実施した。回収されたデータを重回帰分析した結果、労働成果に対して、心理的安全性と受動的忠実型フォロワーシップの交互作用は正の影響力を有していることがわかった。同様に、心理的安全性と統合型フォロワーシップの交互作用は影響力を有していなかった。そして、心理的安全性と能動的忠実型フォロワーシップの交互作用は負の影響力を有していることが明らかになった。これらの結果から、3つのタイプのフォロワーシップ行動の妥当性が確認された。 最後に、フォロワーシップ行動が開発に適する行動であるかを確認するために、文献サーベイを行った。フォロワーシップ教育では従来のステレオタイプからのパラダイムシフトが重要なテーマとなることが示された。さらに、授業事例からは、フォロワーシップ教育とアクティブラーニングとの相乗効果を確認することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の戦略タイプの抽出、昨年度のHRMタイプの抽出に続いて、計画通り、本年度は組織行動タイプの抽出ができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、最終年度となるため、これまで抽出してきた戦略タイプ、HRMタイプ、組織行動タイプ全てを使用した、定量的調査を実施する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、出張など当初予定の予算計画に狂いが生じたため。次年度は、出張やWEB調査に使用する予定。
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Research Products
(3 results)