2020 Fiscal Year Research-status Report
リモートワークが生産性およびキャリア満足度向上に結びつくプロセス
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20K01928
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
細見 正樹 関西大学, 商学部, 准教授 (90773086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 郁也 兵庫県立大学, 国際商経学部, 教授 (40382254)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 在宅勤務 / 相互依存性 / 職務自由度 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず,新型コロナ禍により急増した在宅勤務者を対象とした調査や研究を整理し,在宅勤務者の生産性向上やキャリア意識等に影響をもたらす要因について研究を行っている。 また,在宅勤務者の罪悪感を低減し,利用しやすさを向上するための条件についても研究した。在宅勤務制度利用に対する上司の態度に影響する要因について調査データを分析した。その結果,仕事の相互依存性が在宅勤務利用に対する上司の態度に悪影響をもたらすことを示した。また,職場のダイバーシティおよび職場のテレコミュニケーション度は,これらの関係に調整効果をもたらすことを示した。次に,同僚従業員に対する在宅勤務制度利用促進につながる要因についても分析した。その結果,職務自由度および職務の複雑性は、利用許容度を高めた。また,職務の相互依存性が高い職務のほうが,職務自由度と利用許容度の関係および職務の複雑性と利用許容度の関係を強めた。これらの結果については日本労務学会にて発表した。 さらに,在宅勤務は仕事と家庭生活の関係をあいまいにするため,仕事が家庭生活に及ぼす影響を研究した。分析の結果,ワーク・エンゲイジメントを高めることは,家庭生活に正負の影響を与え,家族関係が調整効果を持つことを示し「組織科学」に掲載した(細見・藤本, 2020)。また,職務特性のもたらす影響を示し,The 2020 Academy of International Business Southeast Asia Regional Conferenceで発表した。さらに,既存研究のレビューを通じて,日本的なメンタリングの特徴も明らかにした(Hosomi, Sekiguchi, & Frose, 2020)。こうした研究知見を,今後の在宅勤務研究に活かしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナ禍により在宅勤務の経験者が増えている。このため,2021年度は当初の予定どおり,在宅勤務のインタビュー対象者は確保できる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,既に収集している量的調査の分析を進めるとともに,学会発表済みの研究の投稿を目指す。また,これらの量的調査の分析結果も踏まえて調査項目を精査し,インタビュー調査を実施していく予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度はコロナ禍のため出張を行わず,打ち合わせもオンラインで行うことで費用を節約できた。今後,コロナ禍が収束した際の旅費や,追加の書籍購入等に費やす予定である。
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Research Products
(9 results)