2023 Fiscal Year Annual Research Report
新人看護師におけるバーンアウトの影響要因とその改善要因の開発
Project/Area Number |
20K01936
|
Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
竹田 明弘 和歌山大学, 社会インフォマティクス学環, 教授 (90330505)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹林 明 和歌山大学, 観光学部, 教授 (20258495)
栗岡 住子 桃山学院教育大学, 人間教育学部, 教授 (20736516)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 新人看護師 / 離職意思 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、2023年度末に実施したインターネット調査のデータ分析、研究報告を中心に関連研究のレビューと将来の研究課題の洗い出しを実施した。 同調査の研究目的:ジョブエンベディッドネスが新人看護師の離職意思に与える影響ついて明らかにするために、中堅看護師とのそれとの相違に関する比較研究を実施した。研究方法:データ収集についてはインターネット調査(インターネット調査についてはクロスマーケティング社に依頼)を利用した。調査項目:Mitchel and Lee(2001)のインベントリーを参考に、それを日本語訳するとともに、日本での調査に適合するよう一部修正した。 調査分析の結果として、新人看護師は中堅のそれとは異なり地域とのつながりが離職意思に影響を与えないことが明らかになった。組織とのつながりについては新人も中堅も離職意思に影響を与えないことが明らかになった。なお、同研究については日本経営学会 12月9日 九州部会で研究報告を実施した。 本研究全体としてバーンアウトの関連要因、及びそれが与える関連要因、離職との関係について着目した。バーンアウトについては、職場内の人間関係、パーソナル特性、ワークエンゲージメント、社会的スキル、職務満足、労働環境、生活背景が影響要因としてあげられる。また、バーンアウトの帰結として精神的症状や反社会的行動、さらに組織からの離脱などが議論されている。多くの組織ではソーシャルサポートを通じて、症状の改善さらには、組織からの離脱を少なくするという取り組みをしている。とりわけ組織からの離脱に着目した本年度の調査分析では、典型的にソーシャルサポートの重要な用具として取り上げられる地域とのつながりや組織とのつながりが離職意思に大きな影響を与えないことが明らかになった。ただし、バーンアウトのもう一つの重要な帰結である精神的症状の改善については今後の課題とする。
|